第一話 シェレの食事
「シェレ!まーたそんなの食べてるの!?人間なんて美味しくないじゃーん?」
真っ赤な髪色をした魔女。ファイレイ。ファイレイはうへーっと言いながら、そこらに転がっている人間の足か手を汚いものを(実際汚い)摘むようにして持った。
「いーじゃない。あんたが損するわけではないし」
あー美味しい。舌を伝って喉に入る血はとてつもなく美味しい。
「まぁーそんはしないけどさー。でも汚いじゃん?」
ファイレイが靴に着いた血を見ながらしかめっ面をしている。
「はぁーで?用件は何?何のためにきたの」
ファイレイは頭をかきながら、聞いてきた。
「へへ。いやー特にないんだけど人食まだやってんだーって思って、あんた人間好きじゃん?何で食べるの」
この質問は嫌いだ。まるで私は何をしても悪者のように言ってくる。
「いくら鳥が可愛くても、豚や牛が可愛くても最後は食べるでしょう?」
手袋を取って、ハンカチで顔と手を吹きながら私は答えた。ファイレイはそんな答えは求めていなかったのだろう。まだむすっとしていた。
「まぁーいいよ。午後から仲良い魔女たちだけで魔女の世界でお茶会するから、きてね」
「わかったわ。ここの片付けが終わったら行く」
おーけーと言って、ファイレイは去っていった。ふー。片付けしなければ。かなりの人数を食った。手足は美味しくないから、これは捨てる。脳は冷やしてシャーベット状にしてから食べると美味しい。骨付き肉はおやつにとっておく。
「ふーそこそこ片付けれたわね」
時計の針は12時ちょうど。今から魔女の世界に行くのは早すぎる。どうしようか。でも楽しみだから少し早めに行って準備をしていてもいいかもしれない。そう考えて私は心弾ませていた。私はお茶会が好きだ。美しい魔女たちとのお茶会は、まるでプリンセスのお茶会のようで、その時だけは自分が悪役だと言うことを忘れられる。
そして優雅にただ美しい一時を過ごす。どんなことをしても今まで経ったの一度もプリンセスになったことのない魔女たちにはお茶会ほど素敵で輝かしいものはないのだ。
「さぁーて。何をしていようかしら」
とりあえず人間界で素敵なものを買って行こう。そういえば香水(?)なんてものを前見つけたからみんなにプレゼントしに行こう。私はみんなにはどんな香水が似合うだろうか。なんて考えながら、街を回った。