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第九話 勇者パーティーのその後

久々に更新します。


残酷シーンあります。

「なんだよこれ! 」

「ヤバいわ」

「キャァァー」

「ユーキ、転送で脱出だ! 」


勇者パーティーのユーキ達4人はダンジョンの中で魔物に囲まれていた。

聖剣を手に入れ、魔王が住むと言う城に続くダンジョンに入ると、大量の魔物に囲まれていた。

まるでゲームでいうモンスターハウスに入ったかのようだ。


【リミト】(ダンジョン転送)……【リミト】……【リミト】くそっなんで使えないんだ」


その上ダンジョンから脱出するための転送のスキルが発動しない(使えない)

戦いながら逃げて出口を探していく。


このダンジョンには【リミト】(ダンジョン転送)防止の呪いがかかっていた。

ダンジョン入り口の石板に、その事を示唆する文言が書かれていたのだが、4人はまともに読むことは無かった。



****************************************************



「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


先頭で戦っていたユーキの腕を、マンティコアが噛みつく。


「くそっ」


ナイトの戦斧をマンティコアに振り降ろす。


「ぎゃぁあ」


だがしかし、マンティコアが避けると同時にユーキの腕の肉を食いちぎる。


「くらえ」


戦斧を斬り返してマンティコアを狙うが戦斧は当たらず、マンティコアにはダメージにはならない。


「グルルルル」


離れて距離を取られる。



「きゃあ」


それと同時ぐらいに、後方にいたハートにスライムがまとわりつく。


某ゲームとかでは最も弱い魔物として扱われているスライムだが、実際にはもっとも凶悪で、醜悪な生物だ。

スライムはアメーバ状で地面に広がって獲物が上を通るのを待って襲ったりする。

一度取り込まれると、獲物の肉を溶かして喰らっていく。


「うわっ死ぬ死ぬ」


その上生物の死肉を喰らうハゲワシ……というよりもゴキブリや蛆虫に近い生物であり、決してゲームのように可愛い存在ではない。


「【ギルン(火炎魔法)】」


「ぎゃぁあ」


ハートごとマイの魔法で焼いていく。

スライムは身体を萎ませてハートから離れる。


「ひどい」


「助かったからいいでしょう! それよりも回復して! 」


「ナ、ナイト、結界だ」


ユーキがナイトに結界スキルを指示する。


「あっああ、【シッコクロック】(結界魔法)


ナイトを中心に、透明な壁が現れて魔物を寄せ付けない壁が現れる。

この【結界魔法】は魔力を消費し続ける代わりに、魔力がある限りは敵から身を守る事が出来る。


【ホルミィ】(回復魔法)


ハートは自分を先に回復魔法をかける。


「バカヤロー! 俺の方を先に回復だろが! 」


ユーキはハートに怒鳴りつける。


「私の怪我の方が重要よ【キルミィ】(浄化魔法)


スライムは体内に、ネズミやコウモリ以上に無数の細菌やウィルスを取り込んでいる病原体だ。

噛まれたらすぐに浄化(解毒)の処置をしないととんでもない病気になってしまう。

よくラノベとかでよく書かれている、スライムを食べたりとかペット代わりに連れたりする行為は、野生のコウモリやドブネズミやゴキブリを、食べたりペットにするような事と同じ事で、ラノベでよくする事はかなり愚か行為と思える。

スライムはドラ〇エに出てくるような可愛い存在ではない。


「早くしろ! 」


「わかっているわよ【ホルミィ】(回復魔法)


ハートが魔法を唱える。

ユーキの腕の傷が癒されるが、肉が抉られて骨まで見えるほど怪我なので、すぐには回復しない。


「くそ……いてぇ」


回復魔法は単に人の持つ回復力を強制的に強くさせているだけなので、傷が治るまでは痛みがある。

ゲームのようにまるで何もなかったように、瞬時に治りはしない。


「ナイト、後どれぐらい持つ」


周りには結界魔法によって作りだされた透明の壁のおかげで魔物は近寄れないが、大量の魔物が周りを取り囲む。


「後、もって10分ぐらいしか無理だ」


ナイトだけがこの結界魔法を使えるが、他の者と比べると魔力自体が少なく、魔力を上手く使うための魔力操作のスキルがない。

ここに来るまでにはすでに魔力を消費しているので、結界魔法を張れるだけの残りの魔力が残されてない。


「なんでこんなことに……」


ユーキは嘆く。


「おっさんが魔石回収しなくなってから魔力回復が出来なくなったな」


ナイトが呟く。


お荷物のレイをダンジョンの奥底に捨てた。

年上だからと言うだけで口うるさい鬱陶しいレイを切り捨てるという事で、こんな世界にいる不満のモヤモヤとした気分が少しスカッとした。


だがそれで弊害もあった。

魔物から魔石を回収する奴がいなくなったために、魔石による魔力回復が出来なくなっていた。


休めば体力と魔力は徐々に回復するが、戦闘中には回復が見込めない。

体力や怪我の方はまだハートの回復魔法によって回復は出来るが、その魔法を使うための魔力の回復が無理だ。

それを補うためには、魔物の体内にある魔石を取り出して、それを使う事で回復させていた。


だがしかし、ユーキ達はレイを追い出してからは魔石を回収していなかった。

それは魔物の腹を切るのは(魔石回収作業は辛く)、手が汚れる。(誰もがやりたがらない)だから魔石回収を怠っていた。

街で回収のためだけに冒険者を雇ったが、(誰もが守らな)すぐに魔物に殺された(かったので死んだ)


「あのおっさんは、何気に器用でしぶとかったからね」


マイが思い出したように言う。

レイは魔石回収のコツを掴むと、戦闘の邪魔にならないようにしながらも魔物を解体して魔石を取り出し、必要になった魔石をユーキ達に渡して、魔物に襲われても素早く逃げて怪我すらしていなかった。


「なんだよ!あのおっさんがいたらこうなってなかったというのかよ」


ユーキが苛立ちをぶつけると、


「いやだって、おっさんがムカつくってユーキが言うから」


「なんだと、お前らだって賛成したじゃないか」


ナイトが呟くとユーキがナイトの胸ぐらを掴む。



「止めて!喧嘩しないで」


ハートは声を上げる。

ここで喧嘩して今の状態でナイトの結界魔法が切れたら、すぐに魔物に襲われる事になる。

そうなると攻撃力を持っていないハートが真っ先に狙われることになる。

ナイトの結界が切れる前に、ユーキの怪我を治して自分の身を守って欲しかった。


「くそっ」


ユーキは手を離し、ハートの治療に専念する。


*****************************************


「でもおっさんがいなくなってから、不思議と魔物が増えたね」


マイがふと呟く。


「なんだよ、マイも俺を責めるのか!」


「いやいや責めてるわけではないわよ!ただ一気に増えたような気がしたから」


ユーキが敵意を出してきたので必死に否定する。

ここでユーキを怒らせても仕方ない。


「単に魔王の所に近づいて魔物が増えただけだろ」


ナイトがフォローしてユーキをなだめるが……。


実はマイの予想は間違っていなかった。

ある程度の強い魔物は己よりも圧倒的に強く勝てないと感じる敵には、本能的には近づかない。

レベルが1のレイだったが、その強いスキルを本能的に感じる魔物は近づいて(レベル30以上の魔物)こなかった。


逆に言うと、例えレベルが30以上あるユーキ達よりも、レイの方が強かった。

今まで近寄ってきた魔物がいたのは、相手の強さもわからない弱い魔物ばかりだったからなのだ。




**************************************************



「ちくしょう切れるぞ」


ナイトの結界魔法が切れる。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

「いやぁぁぁぁぁ」

「助けてぇぇ」


切れた瞬間に周りで待ち構えていた魔物が、ユーキ達に一気に襲い掛かる。

マイにスライムがへばりつき、ハートにはマンティコアが噛みつき、ナイトにはオーガが襲い掛かり腕を掴むとそのまま引きちぎる。

そしてユーキにはオーク3体が一斉に襲い掛かる。


「「「「ギァーー」」」」


4人の悲鳴がダンジョン内で響き渡るが、誰も助けに来ることは無い。


マイはスライムによって全身の皮膚が溶かされ、ハートとナイトは手足がもがれ、ユーキは全身の骨が砕かれた。




***************************************************



そしてユーキ達はオークプリーストの回復魔法によって、死なない程度回復されてギリギリ生かされた。


生かされたのはオークの繫殖のための苗床としてされるためだ。

オークの繫殖は人間とかの動物を必要とする。

だがしかし、別にオークが女を犯して子供を妊娠させるわけではない。他種の生物同士が性交したところで子供が生まれるわけがない。

猿と人間の遺伝子は1%しか違わないのに子供が生まれないのと同じ理由だ。


オークが人間を使うのは、寄生蜂のように人間に卵を産み付けて幼オークの栄養とさせる。

つまりはオークが育ち大きくなるまで、生きたまま内部を食われながら生きるという事だ。


「うわぁぁぁぁぁぁぁいてーーー」

「ぎゃぁぁぁぁ」

「助けてぇぇぇぇ」

「いやーーぁぁぁぁ」


そして30日後には肉を食い破り内部からオークが誕生する。

女騎士がオークに犯されるという話の結末は、こういう事になる。




********************************************************



「王様、ユーキに付けた『観察眼』の反応が消えました」


「そうか……今回の勇者は弱かったのう、次はもっとまともな勇者が召喚出来ればいいのう」


城では大臣の報告に、王様がつまらなそうに呟く。


実は召喚には王族の命は必要ではなかった。

莫大な魔力は消費して回復には一年ほどかかるが、何度でも使えたのだ。


それよりも魔王や魔族は人間にたいして悪さもしていなければ、害する事すらしてはいない。

人間が単に魔王を勝手に嫌って、殺そうとしているだけだ。

ただ直接軍を牽いて魔王を殺そうとすると、魔王に反撃をされるのが困る。

だから異世界人を召喚して殺させようとしているだけだ。

異世界人は馬鹿が多い。適当に言えば魔王を倒そうとする。

その上ステータスが高くスキル持ちが多いから、運がよければ倒せるぐらいにしか思っていない。


そしてもう一つの理由が……。


「あー今回も負けたのう」


「残念でございます」


勇者達がどこまで進むか賭けをしていたのだ。

貴族たちと王は、召喚した勇者が魔王を上手く倒せるとは思ってもいなかった。

初めから賭けの対象としていた。


この行為は40年以上も前から貴族と王族との間での娯楽になっていた。

勇者に渡すアイテムの中には『観察眼』というものがあって、それは勇者達の行動を逐一モニターするというものだ。


もちろん、レイがダンジョンの底で捨てられたのも知っていた。

それを見ていた王族と貴族が、勇者の裏切りというドラマを見て興奮して騒いだのも言うまでもない。


そしてレイにはそのアイテム(観察眼)を渡してはいなかった。

無能と思われていたからだ。




後にレイに観察眼を持たせなかったことを後悔することなるとは、王達は気づいていなかった。




胸糞ざまあでした。


もちろん王様に対するざまあもあります。



テンプレ

*スライムが食える、ペットにする、可愛い、仲間にする

*回復魔法

*ざまぁ

*魔石

*復讐

*追放後悔

*魔王悪くない

*オーク

*姫騎士、女騎士

*くっころの結末

*王様が悪

*召喚の理由

*魔族悪くない

*オークの種付



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