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先代勇者は連れられる

石化の邪眼を持った竜種だぞ!!?




と、驚く体を見せたものの、私、社勇はそこまで驚いてはいませんでした。



うん、まあね。なんと言うか………


ある程度以下のモンスになると皆一律…と言うか、対して変わらないように思えるんだもん。あれだよあれ、RPGで中ボスくらいのモンスターがラストダンジョンで雑魚として出てくるあの感じ。しかもこっちはカンストしてるからほぼダメージゼロで倒せちゃう。


そりゃあね?流石にゴブリンとかオークみたいに鎧袖一触、とはいかないけれど……基本聖剣抜かなくても勝てるんだもの。


まあ強いて言うなら素手でなぐれば毒棘に刺さって毒になるし、バジリスクに睨まれれば石化されるってだけ。


……武器を使えば毒にならないし、睨まれる前に倒せば良いだけなのである。




「……バジリスクはCランクで適正なの?」



だが腐っても竜種。たかがオークごときが軍団規模で襲いかかっても倒せないであろうモンスなのは変わり無い。


なのにオークの巣を破壊したってだけの新人に任せて良い任務かどうかは疑問が残るのが当然だ。


で、聞いてみたのだが、



「っ、!そ、……それ、は……っ」


面白ーい様に動揺してます。


眼には涙が溜まり、青ざめてしまった彼女に悪いことしたなー、とは思ったものの。しかし俺は聞かねばならなくなった。


おねーさんの反応を見て、俺の中の第六感がもっと問い質せと囁く!


決して、決して!俺の中の加虐心が刺激されたわけではない!!


「ユーヤ・シロウ!」


「へ?」


突然声を掛けられ後ろを振り向くと、そこにはエロ装備を着込んだ我が女神トーレさんの姿がっ!


「久しぶりじゃないか!……聞いたよ?アンタ、オークの巣を単騎で潰したんだって?」


ダイナマイトボディを有するトーレさんがコツコツと靴音を鳴らし近づいてくる。

……す、すげぇ………ロケットおっは○いがゆっさゆっさと揺れる!


「え、……ええ、まあ…」


これでもかと大きく育ったその双丘は俺の眼前で制止した。


(ふぅおおおおぉぉっっ!!おっは○い!トーレさんの褐色生意気おっは○いが今、俺の目の前にぃ~!?)


まだ成長期な俺は身長160㎝後半だ。その俺の眼前に迫る胸の谷間ッ!

一歩前に出れば胸の谷間と言う人を誘う渓谷へ落ちてしまうっ…!

しかし抗えない!目の前に、これほどのっ、おっは○いがあると言うのに、退く理由などあろう筈がない。

このロケットおっは○いに真正面かぶつかり合い弾き飛ばされたい願望が俺の思考を支配して行くのがわかる。

人としての矜持を捨て、俺の本能は今正に獣になろうとしているのだ!


さあどうしてくれようか。まずは服の上から揉みしだいてやるっ!それから顔を挟んでぱふぱふして、それからそれから………


クンッ、クンッ。


「あ?」


服の裾を引っ張られ、引っ張られた方を見るとそこには「不機嫌ですよー」とばかりに頬を膨らまして眼をつり上げて俺を睨み上げるリリルリーの姿が。

いかんせん子供なので睨んでいても可愛いのは狡いと思う。さっきまで泣き顔だった受付嬢もリリルリーを見て眼にハートマークを浮かびあげている。


「どした?」


睨まれる筋合いはないのだが、何か俺が悪い事をしたのだろう。

謝る前に理由を聞こうとすると、リリルリーはフンッ、とそっぽを向いた。


「?……見かけない顔だね。その子は?」


「あ、この子は―――」


「リリルリー。ユウ、のパートナーでし」


トーレさんの問いに俺が答えようとすると突然俺の前に名乗り出るリリルリー。

いつの間にパートナーになったんでし?


「へぇ。よろしくねリリルリー。あたしの名前はトーレ、トーレ・バレンシア。ここのギルドじゃ今の所一人しかいないAAランクの傭兵さ」



ギルドのランクは8つに分けられる。ギルド登録したての新人のEランクから始まり、D、C、B、A。その上のAA、S、そして最後にSS。


この四つになる。

通常Bランクまで努力でなれると言う。

しかしAからは才能も必要となってくると言われている。


……となると…トーレさんはかなりの実力者って事だ。


この間、俺を囲んだおっさん達が素直に言うことを聞いてたのも納得である。



「トーレさん。バジリスクの討伐って適正ランクって幾つです?」


「なんだい?藪から棒に。……A相当だね。つがいのバジリスクならAAって所かな?……どうしたんだ?バジリスクの素材でも入用なのかい?」


やっぱり。明らかにきな臭い何かに巻き込まれつつあるみたいだ。


「……なんか、俺が受けられるクエストが、つがいのバジリスクの討伐らしいです」


「……なんだって?」


俺の言葉に怪訝な表情を見せたトーレさんは受付嬢に掴み掛かり、なにか小声で話し合っていた。


「……悪いね、ユーヤ。これは明らかに作為的な、何かだ。がしかしこれがギルドの決定だ。これが無理だってんなら、ギルドを辞めるしかないよ。………まあこれさえ凌げりゃ他の国にだってすぐにでも移れそうな大金が転がりこんでくるだろうがね」


今にも失神してしまいそうになっていた受付嬢を離し、トーレさんはため息をつきながら俺に近づき、耳元で囁く。


……ああっ!トーレさんが、俺の耳に、甘く、囁いて…っ


「ユウ、鼻の下、のびてる、っ」


「っ!?いかんいかん。欲望に身を支配される所だったぜ」


リリルリーに揺さぶられ覚醒した俺はよだれを袖で拭きながら思案する。



にしてもバジリスクかー。楽っちゃ楽なんだけど、いかんせん毒がなー。流石に徒手空拳だとバジリスクの毒棘を食らうしなー。武器代とリリルリーの洋服代と宿屋代くらいは先に貰えないかなー。そうそう、リリルリーの洋服が先だよ先。今リリルリーの服は丈夫だけど地味目な奴だから、フリフリな洋服を着せたい。

だって女の子ですもの。可愛いお洋服着なきゃ!


決して閲覧者の皆様のためのサービスではございません。(しかしリリルリーが幼女だとわかった瞬間に跳ね上がったお気に入り登録数を見てしまうと、やはりサービスはしないとイケないと思う次第で………)




「その程度だったらあたしが前貸ししてあげるさ。…………バジリスクを本当に殺れるってんならね」


「え?トーレさんって、読心術者ですか?」


「ユウ、呟いてた」


頭の中で考えていた事を聞かれて驚いた俺だったのだが、なーる。いつもの癖か。あやうく俺のトーレさんへの迸る熱い想いがバレてしまう所だった。


「で?どうなんだい?前貸しだから返せるんなら出すが………?」


「あ、マジですか?じゃあ投擲用の槍二本と宿代と洋服代をお願いします。あ、そうだ。後は少し口の大きめの道具袋があるととても嬉しいです」


「!……本気で言ってるんだね?雌雄二体で行動するバジリスクの凶暴さはAA並みなんだよ?」


余程俺の事を心配してくれているのだろう。怪訝な表情を浮かべるトーレさん。


……くうぅー!こんなエロい女の人に想われるなんて、男冥利に尽きるってもんだぜ!。

…………そうだよ、バジリスクをソロで倒すなんて普通の人間にとっちゃ快挙な筈だ。


……ここで大手柄を挙げりゃ…と、トーレさんの興味も俺へ…!




「貴女が傍に居てくれるなら、俺は神にだって抗っふぇみふぇふぁふ………、いふぁいふぁいっ!ひひふひー、いふぁいっふっ!いふぁいふぉー!?(痛い痛い!リリルリー、痛いっすっ!痛いよー!?)」


トーレさんを骨抜きにするための殺し文句の口上の途中でリリルリーにほっぺたを引っ張られ止めれた。



「いきなり何するんだリリルリー!今俺がリア充になれるかも知れなかったんだぞ!?」


「ユウに、は、リリルリーが、居る。だからこの女、いらないっ!わたしが、パートナー!」


「何を訳のわからんことをっ…もう怒ったぞ!そんな悪い子には、こうだっ!」


「っ!?、やめっ、ユウっ!―――っ、―――――っ」


こちょこちょをしてやったら身体をビクンビクンと痙攣させて悶絶したリリルリー。笑うより早く過呼吸になるとかどんだけくすぐりが苦手なんだよ。


取り合えず次からくすぐりの刑を極刑として扱うことにしましょうか。






「ここですか?」


「ああ。あたしも良く使っててね。腕の立つドワーフの店さ」


バジリスクのクエストを受け、お金を前借りした俺とリリルリーは装備を整えるために服屋の前に装備屋を回る事にした。

それを告げると、トーレさんは良い所があると俺たちをとある装備屋の前にまで連れて来てくれた。

いやぁ、裏路地に連れられた時は流石にドウテー喪失を覚悟したのですがまだまだ好感度が上がりきってないのかそんな様子は微塵も無かったよ。……ぐすん。



「……魔力、する」


「んぁ?どーした?」


俺の肩に、肩車して座っていたリリルリーが突然目の前の店を指差し呟いた。


「魔力。この中から、魔力が、漏れて来て、る」


「魔力?……ふーん、なんでだろうな?」


リリルリーの言葉に適当に相槌を打つ。

すると、隣でトーレさんが口笛を吹いた。


「流石のエルフだね。そうさ、ここは魔剣を主とした工房なのさ」


はい、そこで魔剣=悪い剣と解釈した貴方!



残念ですがこの世界ではそれは間違えなのですよ。

聖剣って単語を散々出してたからねー。間違えるのは仕方ないさ。俺も間違えた。




魔剣と言うのは、魔術によって特殊能力を付与された武器の事を指した言葉だ。

(だからその名の通りの剣もあるが、魔剣と呼ばれる斧もある。また槍は魔槍と呼ばれたり魔剣と一括りにされたりとごっちゃだ)


魔術で強化された剣、略して魔剣。と、言うわけさ。



「魔剣をメインに置いた工房………成る程、上手い(・・・)んですね?」


「ふふ……ユーヤ、もうアンタを只の素人としては見れないね」


俺の言葉に不敵に笑うトーレさん。


何を隠そう、はっきり言ってメインに据えてまで金儲けできるものじゃないんだよ、魔剣って。

確かに特殊能力は有ったら有ったで良いのだが、魔術を施した反動からか、魔剣と言うのは()が悪くなるのだ。

それも強力な分だけ悪くなる。


一度だけ酷い物を見た事があったが、能力はピカイチ!しかし自重でパキン、と真っ二つに折れたのを見た時は本当に驚いた。(所持してるだけで魔力を回復すると言うレアスキルだったため、知り合いの宮廷魔導師が折れた剣をそのまま身に付けて事なきを得たが……)



……がしかし、上記のように鍛治師として、魔術師として高い才能を有する所謂『上手い』と呼ばれる人ならば、劣化を最小限に抑えつつ高い能力を付与する事が可能なのだ。


上手い鍛治師にうち鍛えられた魔剣は高い能力を有し、この世界では物語にて魔剣の名が語られる事も有るんだとか。


有名な魔剣だと竜殺しの魔剣、とかだろう。

殺した竜の素材を注ぎ足し、天竜の顎だとか呼ばれてるとか。


話を戻そうか。




つまり、魔剣を売って商売を成り立たせるならば『上手い』鍛治師が居なければ成り立たないわけだ。


「でもお高いんでしょう?」


そう。上手い鍛治師が打った剣はめちゃくちゃ高いのだ。


物によっちゃ城が建つくらいなのが。


「主に扱っているだけ、さ。魔剣で無いものも一級の品だ。魔剣とはいかないがそちらの方なら今の手持ちでも十二分に足るだろう」


なーる。まあ最悪、ひのきのぼうで良いかと思っていた訳で、質の良い槍が手に入るのならそれはそれでラッキーだ。



「それじゃあ、入るとしようかい」


俺が答えるよりも早く扉を開け、お店の中に入って行くトーレさん。



……ち、ちなみに、トーレさんのエロ装備の後ろは、……Tバックだったりする。



流石だぜトーレさん!エロ装備ってのを判ってる!!



「む~っ…ユウ、トーレの、お尻見てるっ」


「いだだだっ!髪引っ張らないで!60までは生え残ってる予定なんだから!」


わりと強めの痛みに堪えながら、俺はトーレさんの褐色のお尻に(いざな)われるかのように、工房の中へと入って行った。

まさか今日(2月23日(土)だけで一気にお気に入り登録件数が二百件近くまで跳ね上がるとは思わなかった………お陰さまで日刊ランキング14位と言う快挙!。



ありがたやありがたや。しかしリリルリーが幼女だとわかったその日にこれか… ……これぞロリパワー、リリルリー…恐ろしい子!………



感想待ってますー。

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