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先代勇者は隠居したい(仮題)  作者: タピオカ
港町ベ・イオ編
72/192

先代勇者と吟遊詩人

ジャン・ジャック・ユースタス。

もうなんとなく気づいているかと思うが、三年前の旅を共にした仲間の一人だ。

とある国の貴族だったが自分の夢、と言うよりも信条のために家督を捨てたと言う一風変わった貴族だったが……。


「まさかこんな所で再会するとはな」


「ふふ、それは私としても同じ事だ。まあ戻ってきたと風の噂では聞いていたがね」


ジャンは俺達が囲んでいたテーブルの席に座った。


「えっと……ヤシロさんのお知り合いで?」


俺とジャンの様子を見ていたベルナデットが、小さく手を上げながら聞いてきた。


「ええ、可憐なお嬢さん。私と彼は旧友でね。数年振りに再会したのさ」


「良い友人をお持ちですね、ヤシロさん!」


「少し褒められただけで良い人認定かよ」


チョロすぎんだろおい。


「改めて。……私の名はジャン・ジャック・ユースタス。職業は吟遊詩人と言ったところかな?」


そう名乗ると、ジャンはボロロンとギターを鳴らす。


「ジャン・ジャック・ユースタス? ……まさか、あの『勇者列伝』の著者、ジャン・ジャック・ユースタスさんですか!?」


ジャンの名前を聞いたベルナデットが勢い良く立ち上がり聞き返す。

そして、そのベルナデットの言葉の中に、俺はどうしても聞き捨てならない単語があった。


「『勇者列伝』……おいまさかテメェ」


「ハハハ、安心したまえ。君の名前は出していないよ」


名前云々もそうだが、俺の黒歴史が書籍化されるとかマジで勘弁なんだが。


「まさかあのジャン・ジャック・ユースタスさんに会えるだなんて! さ、サインをお願いします」


「構わないよ」


どこからともなくインクの着いた羽ペンを取り出すジャン。

ん?帽子についてた羽がないぞ?


「た、宝物にします!」


「ありがとう。その本も君のような美しい女性に抱かれ嬉しく思ってるだろう」


ベルナデットが出した本の表紙に馴れた手つきでサインを書いたジャン。あ、帽子に羽が戻ってる。いつの間に。


……ううむ、しかしなんか気に入らんな。


サインして貰って喜んでいるベルナデットを見ていると、どうにも胸がムカムカとする。


「んで? ヴォーダン氏に会う方法ってのを教えてくれるんだよな?」


「ああ、勿論さ」


なんだかムカムカするのに苛々した俺は話を切り替えるために問う。

俺の言葉に頷いたジャンはマントに隠れた懐に手を伸ばし、クルクルと巻かれた一枚の紙を取り出し、テーブルの上に広げた。


「ん? ……『ガラリエ魔装演武まそうえんぶ、ベ・イオ予選大会』?」


そこには、俺が観るのを楽しみにしていた『ガラリエ魔装演武』予選告知が書いてあった。


「ここベ・イオは、七つある内の予選開催地区なのだよ」


そう言って、ジャンは俺を見てニンマリと笑うのだった。


……こいつ、俺を話のネタにするきだな!?


くだらんと席を立つクーシェに、本を抱えて有頂天になっているベルナデットを余所に、俺は自称吟遊詩人相手に戦慄を覚えていた。

最新話、お待たせしました。ゲーム禁止の自分ルールを早速破ったタピオカです。


一日は我慢できたんです。一日は。


ただその反動のせいあ新しい武器種ならノーカンと意味もわからない自分ルールを打ち立ててしまったのです。ボウガン楽しい


ではまた次回。明後日に更新できるよう頑張ります!





話がほとんど進んでないことと短い事には触れないでください(泣)

区切りが良かったんです……

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― 新着の感想 ―
なんかこの残念シスターがガチでヒロイン枠になってきたのがモヤモヤするな そいつ自我しっかりしてる癖に上の言うこと疑わないめんどくさいタイプだぞ
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