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先代勇者は隠居したい(仮題)  作者: タピオカ
港町ベ・イオ編
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先代勇者は決意する

ケンタウロスの姉ちゃん(リーダーっぽい人)曰く、ここ数週間で何十人もの子供が行方不明になっており、調べてみると人間の商人がケンタウロスの子供を奴隷として売り出していたと言う。

なんとか数人は救い出したものの、まだ何人も奴隷に身を落としたままなのだと言う。

しかも半数以上が今どこにいるかさえもわからない状態。

焦りもあってか、荒い方法で商隊を片っ端から調べようとしていたのだ。

ケンタウロス娘(胸は大きめ)が弓を引いたのは、牽制の為だったらしく、あの時は今まさに警告を出そうとした瞬間だったそうだ。

なるほど、一人や二人じゃないのか。しかも子供とは……、手当たり次第になるわけだ。


テントの中で馬のように(……下半身が馬だからだが)座りながら、リーダー格の女は商隊のおっちゃんや俺達にそう説明した。


「残念だが、俺たちは奴隷を扱っちゃいねぇ。扱うにもそれ相応の資格が必要でな」


おっちゃんがそう言うが、ケンタウロス達はその言葉を信用してはいないようだ。


「おっちゃん。大丈夫なら調べさせた方が早いと思う」


「構わないが、品物を傷つけられるのは困るぞ?」


「俺が見張るよ」


俺がそう言って立ち上がると、ケンタウロス達が一斉に立ち上がり俺を注視する。


そ、そんな警戒心MAXにせんでも……正直ちょっと傷つくぞ。

特に俺が踏んづけていたケンタウロスの妹さんが、親の仇を見るかのような視線を俺に向ける。


慣れちゃいるが、そう言う目で見られるのが一番辛いんだよな~。


勢いが弱まりだした雨の中、人馬族達のキャラバンのガサ入れが行われた。


 

結果から言えば勿論と言うか、キャラバンの中には誘拐されたケンタウロス、それ以前に奴隷は居なかった。


「……すまなかった」


キャラバンを調べ尽くしたケンタウロス達から出たのは、謝罪の言葉だった。


「あ、ああ。俺達は別に……なぁ?」


「ああ。むしろ気の毒だしな」


誇り、つまりプライドの高いケンタウロス達が非を認め謝罪した事に、逆に罪悪感を感じた商隊のおっちゃん達が口々に悪くないとケンタウロス達を許す。


「奴隷なら、多分『ベ・イオ』か『オルテーヌ』に居るかもしれないぞ?」


商隊の中の一人が思いついたよに言うと、ケンタウロス達の目が変わった。


「それは本当か!?」


「わからねぇ。ただ、奴隷が売られる奴隷市ってもんは一人二人を売るために開かれるわけじゃねぇ。裏の奴隷市もそうだ。奴隷を大量に運んでくるために海路が使えるから港町なんかで良く開かれるんだ」


おっちゃんの言葉に光明を見いだしたリーダー格のケンタウロスさんが安心したように笑う。


あら、以外と可愛い。


「ちなみにオルテーヌって?」


「リズワディアから一直線に向かえばたどり着く港町さ。そう言えば、なんでそっちへ行かなかったんだ? 山を越える分ベ・イオの方が遠いし」


俺が問うとひょろっとした体つきの商人が答えてくれ、それと同時に聞いて来た。


「配達の真似事さ。リーダーさん、誘拐の件なんだけど、俺にも手伝わせてくれないか?」


「何?」


俺がそう切り出すと、リーダー格のケンタウロスさん……ううむ、長いな。


「ちなみにお名前は?」


「イーリェと言う」


イーリェさんね。


俺が切り出すと、イーリェさんは怪訝な顔で俺を見た。

何故? といった感じの疑惑の表情だ。


「俺もベ・イオに行くんだ。そこで町長さんに会って預かり物を渡すのが俺が目的でね。乗りかかった船、ってわけじゃないけど、俺も事情を知っちゃったし。元々急ぐ旅でもないし、手伝えるなら手伝いたいんだ」


面倒事に巻き込まれるのは御免だが、今回の件、俺としては無視できない。


勇者としてじゃなく、一人の人間として。

も、モンハンなんです。更新が遅れた理由は、モンハンのせいなんです。



はい、遅れて申し訳ありませんでした、最新話です。

それとケンタウルスからケンタウロスに名称変更しました。大した差は無いのかもしれませんが。

 


誘拐事件に、珍しく積極的な姿勢の勇。その理由は!?


ではまた次回。お楽しみに!





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