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先代勇者は村を救う

先代勇者の時でもR-15は付くんじゃよ

「ふぅ、これでオーク70匹目だ」


パチパチと音を立てる松明片手に、緑の肌をした豚の鬼、オークをまるでボールを蹴るかのように蹴たぐる。

ドガキュッ、と音を立ててゴブリンの頭蓋骨が割れた。


暗がりの中から、オーク達がこん棒を手に現れる。巣の半数以上を蹴り殺したと言うのに学習能力の低いオークは未だに、果敢に攻めてくる。 その数約七体。


ドガキュッ!ドガキュキュ!


それを脚を鞭のようにしならせる事により加速させた蹴りで瞬殺する。


「弱いくせに数だけは多いよな」


倒した事により積み重なったオークの肉壁を蹴り破りながら先代勇者は巣の最奥を目指す。




なんで薬草採取を終わらせたばかりの新人がオークなんて言うモンスターの巣窟に脚を踏み込んで居るのかと言うと、それにはふか~い訳があったりする。





トーリさんの御告げにより他国へ旅に出ると決めた俺は早速旅費を稼ぐ為に精力的に働く事にしたのだが、数週間後には戦争だ~なんて雰囲気のギルドで薬草採取なんてしてたらなんだか場違い感が凄まじく、低ランク討伐クエストを受けたのだ。


モンスターの名は、皆さんご存じゴブリン!

ファンタジー世界の雑魚敵としてスライムと双璧を成す雑魚モンスターなのだ。

ゴブリンは人を襲うのではなく人の畑を食い荒らしたりする害虫のようなもので、こっちから攻撃をしなければ怖がって寄って来ない。

カロット村と言う近くの農村に大量に沸いたらしくギルドが討伐クエストを組んだのだ。





で、早速カロット村に行ってみると、今まさに大量のオークに襲われかけている村人達の姿が。


指先一つでオーク軍団をぶちのめすとどうやらゴブリンの巣をオークが乗っ取り、今この村に苗床を拐いに来た瞬間だったらしい。



………エロゲーでお世話になった人もいるかもしれないが、オークの苗床は人間(またはそれに準ずる亜人種)の女性だ。


このままではこの村の女性陣がオークどもの苗床にされてしまう。


俺は村の女性陣のためにオーク討伐を決意するのだった。



け、決して村長のお孫さんが綺麗だったからじゃないんだからね!

村を救ったらお嫁さんに………なんて思ってないんだからね!





愛と煩悩の使徒と化した俺をオークごときが止められるわけもなく、俺はオークの王が居るであろう最奥へと快進撃を続けていた。


「こいつら多すぎ!ゴキみたいにわらわら出てきてキモいっての!!」


快進撃し過ぎて囲まれ気味ですが。


元ゴブリンの巣を爆進していると大きな広間に行き着いた。そこは色んな場所に繋がる場所らしく、四方八方の入りから豚が溢れ出てくる。


流石に数が多すぎる。……抜く(・・)か?


と思い右手を突き出した所で、俺の視界にオークどもの数倍デカイ巨体を有したソレが現れた。



「ブヒヒヒヒッ!哀レナ人間メ!ココデ死二、我々ノ糧トナルガイイ!!ブヒヒヒヒヒッ!!」



醜いオークを更に醜く、肥らせたモンスター、オークキング。

オークの中では高い知性を持つが欲望に忠実な所は変わらず、苗床としてよりも、性欲の捌け口として女性を凌辱すると言う外道だ。




「ブヒヒヒヒッ!ブヒっ、……―――」


ザシュッ。



オークキングの首がゴロリ、と落ちる。


次いで降り注ぐ鮮血に、オークキングの配下達は混乱し、醜く騒ぎ立てる。



「お前らに恨みは無いが、……シェリーさんとの愛のために、死ね」


シェリーさん=村長のお孫さんの美人。



うははははっ!最高にハイって奴だぜー!


愛の奴隷と化した俺に勝てる筈もなく、オークどもはブヒー、と鳴き喚きながら切り裂かれて行った。




ブヒヒヒヒーッ!


「オラ!逃げんな!」


逃げ惑う豚を蹴り殺しながら走っていると、やけに大きな(・・・・・・)入り口を見つけた。

大人数人が肩車しても楽に入れるような……まるで、オークキングが入ることを前提に開けられた穴のような……。


「いやぁああっ!誰かっ、誰かあああぁぁっ!!」


俺が数秒思考すると、その部屋から絹を裂くような女性の悲鳴が鳴り響いた。


(そうかっ、オークキングが入れるってことは、そう言う事用(・・・・・・)の部屋って事だよな!!)


その答えに行き着いた俺は迷いなくその穴へと入って行った。


「誰かっ……っ!!」


そこには着ている服を裂かれ、今まさにオーク数体に犯されようとしている少女の姿が―――


ブチっ


何かを、引きちぎるような音が地下であるこの巣の部屋に響いた。


我が魂は願う(ソウル・ディザイアー)!」


右手に集う極光は左手で持つ松明すら霞む程の光を放出しながら、ソレ(・・)は顕現した。


「古き盟約に従い、来たれ、―――」



ソレは一振りの剣。ソレは古より共に居た、


最も古き我が友よ(アルト・フリーデ)!」


最古の半身。


勇者である俺が、この世に生まれた時より共に生きて来た、俺の生涯の友!



「この外道の糞野郎ドモガアアアアッッ!!」


オークを、極光が吹き飛ばす。


剣を振るっただけで巻き起こった光の嵐は、そこに居たオークを、()ごと吹き飛ばした。





「………あ、アレ!?」




気付いた時にはもう遅かった。まるで最終ダンジョンのように崩れ行く元ゴブリンの巣。


「だあああああぁっ!?」


ゴゴゴゴ、と轟音を立てて崩れる巣と共に、俺の叫びは押し潰されていった。





カロット村の村人達は困惑していた。


ゴブリンを討伐しに来たと言う黒髪の少年が、そのゴブリンの巣を奪い根城にしていたオークを狩に行ってから半日たった。


日は落ちかけ、村でも松明を付けていた所だった。


異国の生まれなのか、珍しい髪の色をした少年の安否を心配していた村長や村人達が、オークの巣の方向を心配げに見ていた時に、それは起こった。



オークの巣の方向から、光の柱が上がったのだ。


まるで太陽の光を閉じ込めたような光の柱は、黒に染まりつつあった空を照らし、辺りを真昼のような光に包み込んだ。


その光が収まると、今度は激しい地鳴りが起こった。



天変地異の前触れか!?と騒ぐ村人達だったが、地鳴りが直ぐに止んだ事に困惑した。



それからは誰も、何も言えず、その場に立ち尽くしていた。


そしてどれだけの時が経ったのだろうか……村の入り口から、人影が見えたのだ。


松明に照らせれている村人達は、明るさに目が慣れているせいか、その人影が照らされるまでその正体が分からなかった。



「…………」


少年だ。


黒髪の、アノ少年だった。


見ると彼の腕には、彼の髪や瞳のような夜を思わせる黒の服を掛けられた女性の姿。



「誰か、手を貸してくれ!」


若くも意思の強さを思わせるその声に、村人達は弾けるように駆け寄った。


「オークの巣で犯される寸前だったんだ。男が居ると怖がるかも知れない。出来れば女性だけで手当てして欲しい」


裸体の上に黒の服一枚を掛けられた少女……彼女はエルフだった。若葉のように淡い翠の髪をした、その耳の尖った女性は泥にまみれていた。

いや、エルフの少女だけではない。

彼女を助け出したと思われる少年もまた、泥だらけだった。


「村長」


少年から呼ばれ、村の村長が人垣より一歩前に出た。


「すまない。オークは全滅させたがゴブリンは一匹もいなかった。クエストを失敗してしまいました」




やっぱ美少女は救わないとね!




あとサラリとだけど聖剣の名前が出ました。



感想待ってますー

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― 新着の感想 ―
煩悩やろうなのに聖剣の名前がかっこいいっていうバグが発生してる…… ていうか世界に1本しかなくて最古の友ってことは初代勇者の頃から受け継がれてるってこと? 恋人とかじゃなくて友達扱いなのは中古に価値が…
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