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先代勇者は隠居したい(仮題)  作者: タピオカ
リズワディア学園編
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変態勇者と着てしまう代行者

アルティエラに到着して少し歩き、町外れまで来たわたしとヤシロさんは一件の家の前で立ち尽くしていた。


「アンのど阿呆どもがー! ナニがスク水スク水じゃい! たまには他のもんも頼んでこんかボケぇっ!!」


叫び声が聞こえてくるのです。 いえ、もはや咆哮とも言えますね。


「か、変わった言葉使いですね。この声の女性がお知り合いの?」


「ああ。このエセ関西弁は間違いない」


わたしの言った言葉に頷いたヤシロさんは頷き、


「絶対領域」


と何か呪文のような言葉を呟いた。


すると、途端に静まり返った一軒家。そして次の瞬間には扉が開かれ、ヤシロさんが糸のような何かに捕らえられ家の中に引きずり込まれてしまった。


「……や、ヤシロさんっ!?」


あまりに突然なことだったので一瞬呆けてしまったわたしでしたが、『ミストルティン』と『フェイルノート』を抜いて家の中に突撃します。


「ヤシロさん! 今助け……」


わたしが魔銃を構えながら家の中に入ると、そこには………、



「久しぶりやないか勇! 帰っておったんか!」


「……お、お久しぶりアリアドネさん。……降ろして」


蜘蛛の糸でがんじがらめにされ、宙吊りにされたヤシロさんとそのヤシロさんに抱きついているアラクネーの女性が居た。

アラクネーとは、上半身が人間で、下半身が蜘蛛の姿をした種族だ。


ケンタウロスの蜘蛛版と言えばわかるでしょうか?



「ん? 見ん顔やな。勇の知り合いか?」


アラクネーの女性がわたしに気づいたらしくヤシロさんに抱きつきながらわたしを見る。


「神聖ウルキオラ教団『代行者』、そしてヤシロさんの友人のベルナデットと申します」


「これはどうもご丁寧に。ウチの名前はアリアドネや」


わたしが一礼し自己紹介を済ますと、アラクネーの女性、アリアドネさんが手を差し出し握手を求めて来た。


「さて、自己紹介も済んだ事やし………勇、さっさとネタ吐かんかい!」


「先ずは降ろしてくれると提供しやすいんですが……」


スルスルと降ろされたヤシロさん。蜘蛛の糸は外して貰えてません。


「で? ネタは?」


「フリフリのメイド服とかどうよ」


「ふ、フリフリやて!? く、くわしく聞こか」


よくわからないですがヤシロさんが言うと、アリアドネさんは面白いように食いつた。


「まあメイド服は少し後だ。……アリアドネさんに頼みがある」


バチっ、弾けるような音がしたと思ったら、肩を軽く鳴らしながらヤシロさんが立ち上がって居た。


「あ、アラクネーの糸をちぎったんですか!?」


「俺は、縛るのは好きだが縛られるのは好きじゃないんだ!」


わけの分からない返しはやめてください!


「相変わらずぶっとんだ紳士力やな、勇。流石やで。……んで? ウチに頼みってなんや?」


やけに渋い笑みを見せたアリアドネさんが聞くと、ヤシロさんもやけに渋い笑みを見せ、


「コショコショ」


アリアドネさんの耳元に近づいてとても小さな声で囁いたのです。


「な、なんやてー!? そんでそんで?」


「コショコショコショ」


「本当かいな!? それごっつ凄い事やで!?」


「コショコショコショコショ」


「ほうほう、それでウチを頼りに来たと」


「コショコショコショコショコショ」


「さよかさよか!」


「コショコショコショコショコショコショ」


「ほほぅ、それはまた――――」


「うわーん! 仲間外れにしないでくださいよー!」


秘密のお話に熱中するお二人を見て、そのお話に参加したくなってしまいました。

だってお二人とも楽しそうに笑いながら話すんですもん。


「えー、……って言ってもベルナデットじゃ無理だと思うぞ?」


ペットを飼いたがってる幼い少女を見る大人のような生暖かい目を向け言ったヤシロさん。


その態度に、わたしはカチンと来てしまいました。 キレました。怒りました。


「無理じゃありません! 知識が足りないのならば知識をつけて、技術が足りないのならば技術を身に付ければ良い。わたしはそう教会のシスター様から学びました! まだ何もしていないのに、無理などと決めないでください!」


「…………そっか、すまん。……それじゃあ先ずこれを着てくれるか?」


わたしの言葉に感動したヤシロさんはわたしに謝罪し、紺色の布を渡してきました。


「これは?」


「女性をすごく魅力的にする魔法のアイテムだ。……是非、ベルナデットに着てほしい」


ヤシロさんの視線の先には、着替えようの垂れ幕がありました。


「わかりました、着てみます。……アリアドネさん、借りても?」


「おう、どんどん使ってや!」


ニカッと笑って了承してくれたアリアドネさん。


「ありがとうございます。それじゃあ着替えて来ます」


わたしは一礼し、その紺色の衣類を持って垂れ幕の中に入りました。


そのわたしの後ろでハイタッチを決めている二人になど、全く気付かずに。






「なっ、なんなんですかこれはーっ!」


「おお、似合ってるやないか!」


叫び声と共に現れたベルナデットは、顔を真っ赤にしながらスク水にオーバーニーソと言う姿をしていた。


……お、俺はスク水を渡しただけなのに、ニーソまで履いて来るとはっ…! こいつ、……完璧にわかってやがる!


「本当に悪かった、ベルナデット。俺はお前を見くびっていたみたいだ。……すまん」


「い、今謝らないでくださいっ! 怒りニクいじゃないですか!」


前屈みになりながら両腕で身体を隠すベルナデット。……ふむ、流石にグラマー美人。このポーズは中々クるものがあるな。


「……そうだ、良い事考えた」


「?」


グラビアモデルのようなポーズを見て、俺はある衣装を思い出した。


「アリアドネさん、仕事の依頼だけど、頼める?」


「ほぅ、ウチに勇が直接依頼かぁ。……なんや、感慨深いものがあるなあ」


スク水だけじゃない。ナース服などを始め何故かこっちの世界で流行している日本の衣装は、全てこのアリアドネさんが作ったのだろう。


俺は設計図を引いただけで終わってたからな。


「それで? なんや、ウチに依頼って言うんわ」


不敵に笑うアリアドネさんに、俺は腰につけていた異次元ポーチから紙の束を取り出して突き出した。


「リズワディア学園に正式採用させる制服だ。ブレザーに体操着、そして、――――白スク水だ!!」


紙の束は、俺が直接引いた渾身の設計図だった。



た、タイトルにパクリ疑惑が……(笑)



またまた短くて申し訳ないです。



……そして、ようやく制服が始動し始めました(笑)



男子はブレザー、短パン、ブーメランで良いでしょうか?(適当)


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