神楽
そうでもしないとやっていけないのだ。
考えすぎてはならない。考えすぎてはならない。考えすぎてはならない。
見てはならない。
そうでなければ正気を保てない。
ノイズはただのがらくたとして隅に捨ておけ。
だから考えるのをやめた。
見るのをやめた。
すぐそばに、正気が落ちている。
拾う、あぁ、残念。これじやあなかつたみたいだね。
見ないように。見ないように。
見てはならない。
とにかく!
誤魔化しているだけだ。
ただ淡々と繰り返すだけ。
なぜ? なぜ? なぜ? なぜ?
そうでもしないと、正気を保っていられないからだ。
やっているふりをするのだ。何となしに。
ああ、ねずみが駆け回り、ひよこが歌い、桜がすやすやと眠る。
演技をするんだ。
誰のために? 何のために?
踊らなければ
泳ぎ続けなければ
陽光を浴びなければ……
蝋燭からポタポタと垂れる……火
延々と繰り返される作業。
何かから目を遠ざけるために。
何かを退けるために。
退け、退け。
あと少しで神輿がやって来るのだから。
動き、眠り、踊り、歌い、走り、泳ぐ。
泳ぐ、泳ぐ、泳ぐ、泳ぐ。
桟橋から小高い山の中腹まで。
意味は消滅した。
意味は生成するものだ。
意味は持続しない。
意味は忘却された。
破却。焼却。火。大火、渡し船。
型式は棄却され、反駁される。
意味は総じて何ら重みを持たない。
それは単なる作業であり、
そして、削ぎ落とされた祈りでもある。
しかしそれは?
それは?
生命は手段であり、大いなる帰還こそが夢である。
生命は欲望する。
しかるに、それを遠ざく。
忘却こそが、唯一の支えである。
手段と目的はいつしか倒錯し、
疎外、疎外、疎外。
そこには薔薇の庭園が延々と、えんえんと広がっている。
夢は誰にとっても夢であり、
………
歌が聞こえる。……あア、夢が聞こえる。
夢から醒めてもなお、夢が包み込んでいる。
欺瞞、それはまごうことなきひとつの生であり、
それでいて、あまりにも遠い。




