ホープの仲間
騎士見習いの選定が終わった日の夕方。
城の外にある訓練場の隅で、四人の少年少女が集められていた。
今日から騎士見習いとして認められた者たち。
自然と同じ場所に立っていた。
ホープ。
ルーク。
セリア。
ガルド。
城の兵士が言う。
「今日からお前たちは同じ騎士見習いだ」
腕を組む。
「騎士は一人では戦えない」
四人を見回す。
「互いを知れ」
そう言うと兵士は去っていった。
残された四人。
しばらく沈黙。
最初に口を開いたのは――
ルークだった。
腕を組みながら言う。
「お前」
ホープを見る。
「さっき闘神様の前で話してたやつだろ」
ホープが少し驚く。
「え?」
ルークが言う。
「守るとか言ってた」
ホープが少し照れる。
「ああ……」
ルークは少し笑う。
「いいこと言うじゃん」
ホープが言う。
「ありがとう」
ルークは胸を叩く。
「俺はルーク」
にっと笑う。
「人間だ」
ホープが言う。
「ホープ」
少しうなずく。
「同じ人間だね」
そのとき後ろから声がした。
「種族は関係ない」
振り向くと、長い銀色の髪の少女が立っていた。
耳が少し長い。
エルフ。
少女は静かに言う。
「騎士は種族で決まらない」
ルークが言う。
「そういうお前は?」
少女が言う。
「セリア」
弓を背負っている。
「森のエルフ」
ホープが言う。
「弓使い?」
セリアがうなずく。
「剣は得意じゃない」
ルークが笑う。
「騎士なのに?」
セリアが言う。
「弓の方が強い」
そのとき後ろから大きな声がした。
「ガハハハ!!」
三人が振り向く。
そこにいたのは。
背が高く、筋肉の大きな少年。
額から小さな角が出ている。
魔族。
少年が言う。
「弓でも剣でもいい!」
豪快に笑う。
「強けりゃそれでいい!」
ルークが呆れる。
「うるさいな」
少年が胸を叩く。
「俺はガルド!」
満面の笑顔。
「魔族だ!」
ホープが言う。
「鍛冶屋の?」
ガルドが驚く。
「知ってるのか?」
ホープが笑う。
「村に魔族の鍛冶屋いるから」
ガルドが笑う。
「そうか!」
肩を叩く。
「いい村だな!」
セリアが小さく笑う。
「闘神の土地だから」
ルークが言う。
「他の場所だと」
少し肩をすくめる。
「エルフと魔族と人間が一緒に騎士なんてありえない」
ガルドが言う。
「だがここは違う」
ホープがうなずく。
「うん」
少し真剣な顔。
「だから守りたい」
ルークが言う。
「お前ほんとそれ好きだな」
ホープが笑う。
「うん」
空を見る。
城の塔。
その上に闘神がいる。
この土地を守る神。
ホープが言う。
「この土地」
広場を見る。
人間。
エルフ。
魔族。
「みんな一緒に生きてる」
拳を握る。
「なくしたくない」
少し静かになる。
ルークが言う。
「まあ」
ニヤッと笑う。
「俺もだ」
セリアが言う。
「森も守りたい」
ガルドが言う。
「村も守る!」
そしてガルドが笑う。
「いいじゃないか!」
腕を組む。
「四人で守ればいい!」
ルークが言う。
「まだ騎士じゃない」
ガルドが笑う。
「でも見習いだ!」
ホープが小さく笑う。
この日。
四人は初めて言葉を交わした。
人間。
エルフ。
魔族。
種族は違う。
けれど。
同じ誓いを持つ者たち。
未来の騎士。
そして、
ホープの――
仲間。




