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闘神の子  作者: ありり
神々の戦争
42/48

母と子の戦い

崩れた花園の上空。


神々が吹き飛ばされ、空間が裂け、時間が歪んでいる。


その中心に立つのは――

時の神である母。


闘神の剣を手に、静かに微笑んでいる。


その前に立つのは――

新たな闘神。


ホープ。


闘神の力と、時の神の力。


二つを宿す存在。


時の神はホープを見つめる。


そして、ふっと柔らかく笑った。


先ほどまで神々を壊していた狂気の笑みではない。


どこか優しい笑みだった。


「……あら」


ゆっくり首を傾ける。


「かわいい」


その声は、まるで昔の母の声だった。


「私の息子」


ホープの胸が少し揺れる。


だが剣は下げない。


時の神は空を見上げる。


そこにはまだ神々がいる。


雷の神、炎の神、水の神、風の神。


みな傷つきながらも警戒している。


母は静かに言う。


「ねえ」


ホープを見る。


「一緒に来ない?」


優しい声。


「この世界」


空を見上げる。


「腐っている」


神々を見る。


「この神たちも」


「いらない」


そしてホープに手を伸ばす。


「全部壊して」


微笑む。


「新しい時を創りましょう」


その声は甘い。


誘惑するような声。


「あなたと私なら」


「できる」


ホープは静かに首を振る。


「……できない」


母の目がわずかに揺れる。


ホープは言う。


「俺」


剣を握る。


「守るために騎士になった」


空を見る。


神々。


城。


人間の街。


すべて。


「壊すためじゃない」


そして母を見る。


「賛同できない」


沈黙。


母はしばらくホープを見ていた。


そして。


ゆっくり言う。


「……そう」


少し残念そうに。


「そいつらに味方するの?」


空の神々を見る。


ホープは少し考える。


そして答える。


「味方とかじゃない」


真っ直ぐ言う。


「話し合えばいい」


神々がざわめく。


ホープは続ける。


「誰も死なない道」


「みんなが生きる道」


「それを探したい」


その言葉は、あまりにも人間的だった。


時の神はそれを聞いて。


ふっと笑う。


小さく。


そして。


少し悲しそうに。


「……残念ね」


その瞬間。


空間が歪む。


時の神の目が冷たくなる。


「じゃあ」


闘神の剣を構える。


「邪魔」


次の瞬間。


斬撃。


時間を裂く刃。


ホープが動く。


闘神の力。


剣を上げる。


ドン――!!


衝撃が大地を割る。


ホープの足が地面にめり込む。


だが止める。


母の攻撃を。


神々が息を呑む。


「止めた……!」


ホープが踏み込む。


闘神の剣。


斬撃。


母が指を動かす。


時間を歪める。


攻撃が消える。


ホープの体が弾かれる。


それでも立つ。


「母さん!」


叫ぶ。


「やめてくれ!!」


その声は戦場には似合わない。


懇願だった。


だが母は止まらない。


空間を裂く。


時間の刃。


ホープが受ける。


闘神の力。


そして体の奥から

時の力。


時間をわずかに歪める。


攻撃を避ける。


神々がざわめく。


「両方の力を……!」


戦いが激しくなる。


ホープの声は変わらない。


剣を振るいながら叫ぶ。


「母さん!」


衝撃。


「もうやめてくれ!!」


また衝突。


「誰も殺さなくていい!」


その姿を見て、

空の神々が動く。


雷の神が雷を放つ。


炎の神が炎を投げる。


水の神が水を巻き上げる。


「少年を援護しろ!!」


神々がホープを支援する。


時の神の攻撃を抑える。


ホープは驚く。


「……!」


だが剣を握る。


前を見る。


母を見る。


そしてもう一度叫ぶ。


「母さん!」


その戦場は


神と神


そして


母と子の戦いだった。

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