2 作戦1 ステーキ
「澤田 龍一」
体力 ★★★☆☆
攻撃性 ★★★★☆
知識 ★★★★☆
移動速度 ★★★★★
精神度 ★★★★☆
主人公。一人暮らしで、家事に追われる毎日。
母が、調理師だった為、料理が上手い。
趣味は、ホラー映画とゾンビゲーム。その制か、ゾンビや銃器の知識に優れる。
更には、猟師の父とよくキャンプや、アウトドアに連れて行ってもらったおかげでサバイバル能力にも長ける。
自分より仲間の命を優先させる、人思いな性格。
たまに、ブラックジョークをかましたりと、趣味の影響が出ている一面も。
金代デパート1F 10:45
先ほど、熱い友情劇を見せてくれた澤田と篤は、サービスカウンターの受付の陰に隠れていた。
「……おい、これからどうすんだよ。」
「待ってろ。今、考えてんだから。」
澤田は壁に掛けられたデパートの見取り図を見ながら脱出法を考えている。
ふと、辺りを見た澤田は何かを見つけたようだ。
「……あっつ、あれ見ろ。」
そう言われ、澤田が指示した方を見た瞬間、篤は息を呑んだ。
なんと、デパート表入口から、優に20は超えるであろう数の、
ゾンビの群れがゾロゾロと入ってきたのだ。
相変わらず服はボロボロで、動きもノロノロとしていたが、こうやって群れでゾロゾロとやって来られると、恐怖心が芽生えない訳がない。
「な、なんじゃありゃ……」
篤が唖然としていると、澤田が「そうだ!」と小さく叫んだ。
「篤、これからは危険が数々やってくるかもしれない。それでもお前は付いてきてくれるか?」
「なあ、澤田。俺達はもう戦地に足を踏み入れちまったんだ。こうなった以上もう逃げ場はないんだ。だから俺はお前に付いていくしか無いんだよ。」
「じゃあ、来てくれるか?」
「地獄のそこまで!」
「ありがとう。じゃあ説明するから耳の穴かっぽじって聞けよ。
3階まで上がったらおもちゃ売り場に行ってカウンターの下の床開けて、床下式通路を通って外に出るんだ。OK?」
篤が親指をグッと突き立てて頷く。しかし、篤にはもう一つ疑問があった。
「なあ、あの群れはどうすんだ?あの先を通らずに3階には上がれないぜ?」
そう言われた澤田は辺りを再度見回すと、二カっと笑い、何かを取りに行った。
そして持ってきたのはライターと3枚くらいの紙で作ったボールだった。
「パイプやナイフで倒してもきりが無いからな。じゃあちょっと移動するぞ。」
澤田がこそこそと小走りで動き出す。篤も後ろから付いて行く。
そして二人がきたのは、酒屋だった。
「よし、手伝え。」
澤田が酒瓶の積まれた商品棚を動かし始めた。篤も押すのを手伝った。
それを、サービスカウンターまで動かすと澤田は棚の前に立ってなんと叫んだのだ。
「あーーーーーーーー!」
澤田の声がデパート内に響く。当然ゾンビがたくさんやって来るのを承知の上で。
「来た来た来た。よし、あっつ、酒瓶持て。」
澤田が酒瓶を持ったので、篤もそれに習って酒瓶を持った。
「それを、あいつ等に向かって投げるんだ!」
澤田の合図で酒瓶が四方八方に飛んでゆく。
飛んでいった酒瓶は、ゾンビに当たるか床に落ちるかして、割れ、そこらじゅうに酒が飛び散った。
「そろそろいいかな……」
澤田がさっき持ってきた紙のボールにライターで火を着けると、すぐさまファイアーボールと化した紙のボールをゾンビに向かって投げた。
「あっつ、下がれ。」
すぐに、ボールの火は酒に、ゾンビに引火し、そこに炎の壁が出来た。
「出来た!ゾンビのステーキの出来上がりだ。やっぱ俺って一流シェフなのかな。」
澤田の口から得意のブラックジョークが出た。当然、スプリンクラーも作動しているが。
「………………」
澤田のブラックジョークに言葉が出ない篤も、内心はホッとしている。
「あっつ、行くぞ。」
「ん、ああ。」
二人は冷えたゾンビステーキを後に、2階へと上った。
終わりました。なんか、前より圧倒的に短いし、自分的にグダグダでした。
とりあえず閲覧してくれて有り難うございます。感想とかあれば嬉しいです。