006.日常のお仕事(3)
スメちゃんの仕事仲間を紹介するという事で訪問することにした。
私と、マエと、ノラとスメと、にゃんた・・・おそらくこの序列は正しく認識されないだろう。
説明が面倒なので、マエに頼んだ、私は敷地内の探索をする。
飼い犬が居たが、睨んだらペコリと頭を下げた、序列は正しく認識されるようだ賢い犬だな。
犬語は理解できるがうまく喋れないのでノラを呼んできた。
にゃにゃーんにや? (私:最近家で居なくなった人いる?)
わわーんわわーん? (ノラ:最近家で居なくなった人いる?)
わんわんわわーん (お嬢さんが居なくなった)
そのお嬢様が飼い主か・・・飼っていたといっても非公式か、餌付けしてた程度かもしれない。
こいつらに聞いてもこれ以上の情報は得られないだろう。
誘拐事件だとしたらなんとかしなくてはいけない。
私はマエの所に戻ると、リュックの中にひょいっと入り込んだ。
家のものがちょっと席を離している隙にマエから情報を聞いた。
家に何も問題は起きていないという事だ・・・嘘だ・・お嬢さんが自発的にどこかへ言っていない限り。
もう少し様子を見ることにした。
スメちゃんに聞いたら確かに令嬢はいるそうだが、外出しているかどうかなどはわからないが、飼い犬が居なくなったと判断しているなら、長期的に家を出てしまったとかも考えられる。
それとなく聞いてもらうことにした
「ところでお嬢さんは?」
本家がびっくとしたのを見逃さなかった。
「ああ、ちょっと旅行に出かけている」
「良いですね、旅行ですか、私も行きたいな、どちらに行ってます?」
「あっあ、ええと海外旅行です」
「良いですね、海外だったら長旅ですね。ヨーロッパとかでしょうか」
「ああ、そうだ、スイスに行っている」
「スイスですか、そう、あのなんて言うんでしたっけ、顔の黒い羊・・そうシュヴァルツナーゼ、
可愛いですよねぇ、人懐っこいし。 電話してみようかなぁ」
「ああのっ通じないと思いますよ・・・」
しどろもどろである。スメちゃんやるね。
会話を無難にこなしているということは、どこかに盗聴器とかカメラかなんかがあって監視されている可能性があるな。
探してみよう、
「ノラ、協力して、 この家の人じゃない匂いを嗅ぎ分けて」
わんっ 「了解」
私達は家中を駆け回って・・・みんなは迷惑そうだったけど・・・探し回った。
「こまったネコとワンちゃんですみません・・・本当に」
マエにその場繕いをお願いして、 家中を駆け回って、隠しカメラと盗聴器を全て見つけた。
完全に排除するのは簡単だけど、そうすると発見されたとバレてしまう。
ネコが暴れまくってカメラの位置をずらしてしまった、盗聴器の反応を鈍らせてしまった。 おしっこをかけて一部壊してしまった・・・というふうにして、いくつかの死角を作り出した。
そして、本家には一時的に死角に入ってもらう事に成功した。
「ここでは小声に出しても大丈夫です、お嬢様は誘拐されたのですか?」
「ああ、私達は監視されていて動けない、娘を助けてくれ」
「わかりました」
本家の言葉を得て確信した。 これは誘拐事件だ。