004.専属アドバイザーのお仕事(2)
キメラの登場により、事件の全容が見えてきた。
そんな事より、この場を凌がなければならない。
私達の手には負えない・・・警察は間に合わない・・・エマージェンシーボタンに頼ることにする。
ぽちっ
「みゃーちゃん寂しかったの?」
主が来てくれた・・・が勘違いしている。 私達は絶体絶命なのです。
「助けて」
「えっ? またキメラ? みゃーちゃんに手を出すとは許せない」
手に剣を取った主は、瞬く間に切り刻んでいく、キメラがバラバラ・・・キメラじゃなくなっていく。
「で、どうしたの?」
「助かったにゃ、 これどうする?」
「そうね、フィクサーくんに対処してもらおう、この件はそういう事になっている」
なっていたっけ?
「こいつの被害者の目撃者がフィクサーの息子らしい」
「呼び出すわ」
ぷるるるるるー
「来い!」
乱暴な呼び出し方だ。 主じゃなかったら消されているかも・・・。
しばらくすると、黒サングラス軍団が来た・・・どこかで見たかな
「いやー、久しぶり・・・ずいぶん乱暴な呼び出しだねぇ」
「あんたの息子のせいでしょ」
「そうなのか?」
「えっと私が殺人事件を目撃して通報したんです・・はい」
「私にいえばいいのに」
「今回は関係ないかと・・」
「まあいい、それで、そのバラバラなキメラ?は・・・別個体か?」
「そうね、一体じゃなかったみたいね、責任取れる?」
「まあ、被害者には申し訳ないけど・・不可抗力だ」
「そうかしら、池の中を確認した?」
「何かあるのか?」
「カエルの卵の様に大量の卵があるみたい」
主、もう探索していたのか、手際が良いね・・・いや話しながら状況確認をしているみたい・・・
「処理するけど、後処理をお願いできる?」
「そのぐらいの責任は取ろう」
『沸騰!』
ボコボコボコ!
池が・・・池が沸騰している・・・茹で上がった卵が大量に浮いてきた・・・美味しそう
「ここにあるのが全てかどうか分からないからちゃんと捜査してね、
もし漏れがあったら大惨事よ」
「何をした?」
「ちょっと温度を上げただけ。他の生物も死滅しているからなんとかしておいてね、
耐性卵もあるかもしれないから、奥底まで調査しておいて、分かった?
流れ出てるかもしれないし、
次は無いわよ、きっと表沙汰になる」
「分かった・・・任せろ」
「前もそういったよね」
「ああ、今後そんな事を減らすために・・・
そうだなこいつを修行のために探偵社に預かってくれないか?」
「え゛ー、じゃあ今回の迷惑料を振り込んでおいて
・・・一度に振り込むと税務署がうるさいから少しづつ、こいつの修行料として」
「わかった」
「ただし、下っ端よ、ノラの下」
「構わない・・・ノラって?」
「こいつ、みゃーちゃんの弟子」
わんっわんっ
「俺、こいつの下?」
「下積みからは基本でしょ」
「犬の下??」
「ノラをばかにしていると足元すくわれるわよ。
あなたは犯人を嗅ぎ分けられる?」
「いや、私は人間だから・・」
「あなたは時速40キロで走れる?」
「いや、私は人間だから・・」
「ノラより優れているところは?」
「・・・無いかも」
「ノラの下でいいわね」
「はい」ぐしゅん。
新しいメンバーが増える事になった。
フィクサーの息子の一人、皇皇子が仲間になった。
役に立つと良いな。
翌日の新聞には『◯◯公園の怪奇、大量の巨大ゆで卵が出現』と話題なった。
皇皇子、かっこよすぎるので、スメちゃんと呼ぶことにした。
スメちゃんは結局酔っ払って幻覚を見たってことで一件落着させた。
署長には一応本当の事を言っておいたが・・・私に真実を私に言うなといわれた・・・
どうやら知らなかった事にしたい様だ。
どうやら、みゃー探偵社は嘘を報告しても良いらしい。 スメちゃんも居るし問題ないだろう。