038.神社(5) 祠(2)
ドウさんがお動の扉を開く
ぎぃ〜〜
「何もないぞ」
普通は御神体とか何かがあるらしいけど空みたいだ。
「なにかあった形跡は?」
「台座はある・・台座の下に・・・床下収納か?」
ぱこっ
「下に通路がある、地下室か?」
安全そうだったので祠に入った、大きな祠と言っても、台座があるので人が入るとさすがにぎゅうぎゅうだ。
ドウさんと、ヒメちゃんと、リュックの中の私で中にはいってみることにした、ヤタは外で見張りだ。
探偵の嗜みとして懐中電灯は常に持ち歩いている。 暗くても大丈夫。
地下には小部屋がありその先は通路になっている、結構長く裏山の方に向かって続いていた。
やはリ秘密の研究施設でもあるんだろうか?
懐中電灯の電池保つかな? これ、魔道具だから大丈夫かな
ネコがいくら夜目が利くといっても全く光がないところでは見えない・・・
懐中電灯を消してみる
「おいこら暗いだろ」
ドウさんが怒った・・・無視だ
いやちょっと見えるな。 加護のおかげだろうか赤外線カメラの様に見える。
ヒメちゃんも加護持ちで強化されたホムンクルスなので見えるらしい。
「電池の節約だ、このまま行く」
「何も見えないだろ、胎内巡りじゃないんだぞ」
「私が手を取る」
「あっあ、はい それで いいです」
ヒメちゃんの手を握れるので、照れているようだ。
私の手を出してやった
「ふぎゃあー、 なんだみゃーちゃんか。 ・・・あっ、でも肉球がぷにぷにしてていい気持ち」
きしょい。
300メートルほど進むと扉があった。
鍵は? 掛けられていない様だった。
かちゃっ、ぎぎぃーー
広い空間が広がっているようだ。
中も真っ暗だ。 流石に懐中電灯のスイッチを入れた。
電灯のスイッチらしきものがあった。 電気は供給されているのか。 電気料金未払で止められていないか。
色々心配したが
ぱちんっ
スイッチを入れると電灯がついた。 古い施設なのだろう蛍光灯ではなく電球だ。
どうやら神社から電気を引き込んでいる様だ。
いかにもという感じの実験施設だ。通路の両側に水槽のようなものが並んでいる。
水槽の中身は流石に無いようだ、廃棄された施設のようだ。 長い間使われた形跡はない。
ぞわぞわっとした虫も這っている。
食べられるやつかなぁ?
書類等は無かった計画的に廃棄された施設だろう。
ただ、水槽にはラベルが残っていた
『実験体00152』
5桁番号、分類コードを含まなければ万単位の実験体を想定していたのか。
ただそれだけでは何も分からなかった。
探偵セットの鑑定機を使ってみよう
『培養槽:生物培養を想定した装置、残留物:人間、熊、などのDNA』
やはり生物兵器研究所だったようだ。




