035.神社(2)
今夜は巫女さんの所に泊めてもらうことになった。
巫女さんの名前は『烏丸美衣子』、ミーコちゃんと呼ぼう
カー子も付いてきた。
カー子からヤタに伝えてヤタからヒメちゃん、そしてミーコちゃんへと伝える、返事はその逆になる
実に面倒な会話だね。
面倒だけど可能である事の意味は大きい。
まあそのおかげでミーコちゃんがカラス用の食事を奪い、代わりにお供え物の余り物を渡していたのがバレてしまったんだけどね。
でもカー子は別に気にしていないみたい・・良かった。
カー子はこれからも餌がもらえる確約が出来た。 ミーコちゃんがこの神社にいる限りだけど。
その代わりにカー子はミーコちゃんの見守りをしてくれるそうだ。
なにかあったら、みゃー探偵社にも連絡が来るが、この神社まで距離があるのですぐに駆けつける事は出来ない。 カー子にとりつけたナノゴーレムの出来る範囲の支援しか出来ない。
カー子はこのあたりの顔役らしいのでいざとなれば総動員で支援するらしい。
私の天敵はカラスなので、ヤタ以外からは少し距離を置いて、ヒメちゃんのリュックシェルターに潜り込んでいる。
話が弾んでいるようだ、私は寝よう。
・・・・・
次の日、陰陽師の当主と合流予定だったが・・・来たのはあの若者だ。
どうやら面倒なので、気に入られているお前が行って来い、という事らしい。
名前は、『藤斎三道』という。 本名は別にあるらしい。
佛道、神道、陰陽道の3つの道を極めるという意味から三道と付けられた名前だと言うが、どう考えても『斎藤道三のアナグラム』だろうとヒメちゃんが言っていた。
もう呼び名はドウさんでいいや。
年齢は24歳だが、一応若手陰陽師のリーダーらしい。
若手のリーダーと言うとかっこいいが、若手=陰陽師にあこがれて入門した金蔓、の子守役だ。
面白いわけがない。 いい息抜きだと指名依頼を受諾して来たらしい。
更に出来るだけ事件の解決を伸ばせとまで言われた。
嫌だ、早くミーコちゃんたちを助けてあげないといけないんだよ。 分かってるの?
助けるのは早くして、解決だけ伸ばせとのたまわった。 我儘な。
よほど若手の面倒をみるのが嫌なのらしい。
まあ私達は解決できればそれでいい。 どっちみちタダ働きだし。
いや、ここは交渉だ、ドウさんに雇われよう。
・・・・
やったぁ、ヒメちゃんの交渉の末、日当で5000円もらえる事になった。 安いけど無いより良い。
伸ばせば伸ばすほど双方にメリットが有る、
良い結果だ、言ってみるものだ。
あっ、でも日当が出るのヒメちゃんだけみたい。 ちぇっ。
ミーコちゃんちに只で泊めて貰う代わりに家事をする事になったが・・・家事が出来るのはヒメちゃんだけなので、ヒメちゃんが日当をもらうのは当然か。
まあ彼のポケットマネーだろうから安くても仕方ないか、その条件で手を打った。
ネコは手を打っても肉球なので音はしない。




