033.新しい仲間が欲しい(2)
さて、カラスのヤタを仲間に入れて、環境も整えた。
まだまだ足らないところもあるけど、
地中探索能力とか・・・モグラ?
だが私達にはなんともしがたい問題がある
仕事が無い・・のにゃ・・・暇だ
迷い猫も少なくなった。 ネコネットで他の猫が誘導して飼い主の所に帰してしまうからだ。
まあ、迷子にならないのが一番良い。
迷い犬も、迷ったわけではなく飼い主が嫌いか、いじめられているかだ。 帰すことは出来ない。
犬が望まなかったら引き渡さないという条件があるため、断られることが多いからだ。
嫌われているという自覚があるに違いない。
平和だな。 平和が一番。 仕事少ないけど。
そんなある日、・・仕事だ
依頼者は・・ヤタ 身内じゃん
暇だから良いか
なんでもヤタの居た神社で問題が発生したらしい。
カラスネットワークで知らせが来たみたいだ
知らせ、であって連絡ではない。
宮司や巫女はカラス語は話せない。 見張りのカラスが異常だと判断しただけである。
よく餌をもらっていたらしい。 ・・・処分するお供え物?・・・
行くのは交通費がかかるのでヒメと私だけだ。 ノラは大きいので電車に乗れない。
ヤタは飛んでいくので現地集合だ。 ヤタは加護のお陰で時速200キロ以上で飛べる。
私はリュックシェルターに入っていれば手荷物料金で乗れる。
ホテルとかはペット可のところは少ない。個人宅に泊まれないか交渉が必要だ。
山道を抜けて神社にやって来た。 疲れた・・・ヒメちゃんが。
ホムンクルスは優秀なはずだけど人間だった頃の記憶が影響しているらしい。
無事にヤタと合流すると神社に向かった。
ふぅ〜、神社についたが、当然神社の関係者はヤタの事を知らない。
そこで知らせを送ったカラスと面会することにした。
私も多言語理解によってカラス語は聞き取れる。
が、喋ることは出来ないのでヤタ経由で話すことになる。
「カラスさん、どんな問題があったか分かる?」
『まもも まもも』
まもも? 何?まももって ひょっとして魔物
「カラスさんひょっとして “まもの” ?」
『そう まもも まもも』
魔物が出たってことか?
「熊じゃないの?」
『まもも いってた』
本当の魔物では無いだろう、怪物とか化け物とか・・・
神社の関係者に聞いてみよう、 あっ巫女さん居た
「少しよろしいでしょうか? 魔物が出たとか聞いたんですけど」
「な なんの事でしょうかぁー」
“そんな話はありません”とかが普通の答えだよね。 怪しいな
「私、みゃー探偵社のヒメと申しますが、そういうのを専門にしておりまして」
えっ? そうだったの? そう言えばキメラとか恐竜(始祖鳥もどき)とか・・・色々関わってきたね。
迷い猫、迷い犬探し専門だと思ってた。
「えっ? 専門家 ちょっとここでお待ちいただけますか。
宮司ぃ〜〜 専門家、専門家来たぁ〜」
どうやら宮司から話が聞ける様だ。
私達って魔物の専門家って言って良いのだろうか? 別に詳しいわけではないけど。




