031.ナンバーワンエージェントは動けない(3)
「じゃあ、みゃーちゃんとスーパー探偵Xに任せるにゃ」
「私は?」
「足手まといにゃ、 アジトで待機しててにゃ」
「何か出来る事は? これでも元ナンバーワンエージェント」
「みゅーちゃんと遊んでるといいにゃ
あと、国家安全保障局がキメラ開発をしているとしたら、考えられる場所を教えて欲しい」
「おそらく既存の施設では無いだろう、新しく手配した未登録施設を探せばいいと思う
それとキメラが逃げ出したとすれば、何かの事故が原因だろうから最近事故のあった施設も」
「そこは調べてなかったの?」
「私の部下が調べている、その部下が関わっているとしたら情報は上がってこない」
「じゃあまず国家安全保障局に潜入捜査だね、
その部下を教えてにゃぁ」
建物内部はみゃーちゃん担当、建物の外はスーパー探偵Xが担当した。
そして今回はスペシャル助っ人ヨーヘーも来ている。 主の部下のヨーヘーも宇宙移動中の暇を持て余していた様だ。
ヨーヘーも私も隠密が得意なので、手分けして内情を偵察した。
彼らは元ナンバーワンエージェントを探すのに必死らしい。 証拠隠滅のために。
なので、観察して会話を聞いていると仲間関係が分かってくる。
彼の部下、若手の全員と、別の部署の全員が関係している様だった。
どうやら、元ナンバーワンエージェントと自慢げに吹聴するのが嫌われて省けにされていた様だ。
そして連絡を取り合っている先から条件に一致する施設の候補をリストアップしていった。
候補は複数あったためスーパー探偵Xはその施設に向かい調査を開始している。
特定出来たら私達も向かう予定だ。
スーパー探偵Xから連絡が入った。
どうやら生物兵器研究所を見つけたようだ。
研究成果などはもう別のデーターセンターとかに保管されているはずなので、その研究成果自体を隠蔽することは既に出来ない。
逃げたキメラの始末と実験施設の破壊ぐらいしか出来ない。
まあ主の故郷では、もっと恐ろしい魔物がうじゃうじゃいたらしいのでそれほど重要視していない様だけど、住人の戦闘レベルが低いので安易に考えては行けないと思う。
ヨーヘーも戦闘は出来るらしいのでキメラを見つけたら処理をお願いしよう。
もちろん私はネコだから見てるだけ。
防御力は主によって盛られているので高いけど、攻撃力は無い。
ヒメちゃんは・・・怖くてやりたくないらしい、キメラの見た目がね・・確かに怖い。
「おーそこだ、やっちまえぃーー、おーー」
私は戦闘に関しては観戦が主な仕事だ。
全ては無理だったが、闘争したキメラのほとんどを始末できた。
何らかの原因で設備が爆発して、檻が壊れて逃げたらしい。
その原因とは、強力な酸によって設備の一部が溶解した事で爆発したらしい。
なんかみたい。
そしてその溶解液を持つキメラの捕獲は出来ていない。
ネコネットで監視を続けているが、街中には出現していない。
下水道とかは調べていないのでわからないけど。
ネズミの部下がいれば、と思ったけど、ネズミが食べられなくなるので・・・ネズミの部下はいらない。
プラントネットに居る大ネズミは美味しいらしいので食べてみたいな。
今度主におねだりしてみよう、
会話ができるようになったことで具体的な欲しいものを伝えられるのは便利だ。
スーパー探偵Xからお友達になろうと言われたが断った。 だって名前が恥ずかしい。
“スーパー探偵Xのお友達です” なんて言ったら笑われそうだからね。
名前を変えたら良いよって言っておいた。




