030.ナンバーワンエージェントは動けない(2)
隠れ家で装備を整えて、あいつの元へ・・何処だっけ?
確か夜空にサーチライトで・・・あれはバッタモンか
新聞記事に・・今どき新聞は無いか。
SNSで・・携帯電話の電源を切って電磁シールドケースに入れてあったんだった。
確か何処かのビルにXの文字を書くんだったな。 だが不用意に出られない。
「みゅーちゃん、あのビルにXって描ける?」
『ちょっと難しいにゃ・・・
ネコ文字なら出来るかも』
「ネコ文字って?」
『ネコを集めてX文字を作るにゃ』
みゅーちゃんにネコ文字でXを作ってもらった。
「・・これを見たとして、発信者が何処に居るのかわかるのか?」
「わかるよ」
「うぁおー、突然・・お前か・・久しぶりだな。
何故ここが分かった?」
「私の飼い猫に聞いてきた」
「話せるのか?」
「ネコと話せないようではこの業界ではやっていけない」
「・・のか?」
「まさか、ネコの跡を付けてきたんだよ」
「だよな、私は話せるけどな」
「その道具か、欲しいな」
「これは借り物だから渡せない、 これで請け負ってくれるか」
小判を5枚出す
「うーん、これは日本の小判だね・・えっと一枚1万ドルとして5万ドルか
そんなにはしないかな。 まあ珍しいものだから良いだろう
依頼内容は?」
「国家安全保障局の陰謀を暴露する」
「面白いな。 値段には合わない内容だけどな」
「そう思うが・・なんとか頼めないか、持ち合わせがそれしか無い・・それも借り物だけどな」
「面白そうだからやろうかな・・ああでも今日ディナー誘われてるからな」
「断れないのか」
「断らない、日本の名探偵だ・・確かみゃーちゃんって名のネコだ
こいつもネコなのにすごいんだぜ」
「私の依頼もそのみゃーちゃんが関わっているんだ」
「そうなのか? 一緒に来るか?」
「今、外に出られない」
「大丈夫、俺が連れてってやるよ」
なんか、ぱっぱっぱって変装させられて連れ出された。
さすがプロ。 手際が良い。
とある会員制のレストランに着いた。 えっとお金ないな・・
「金もう無いんだろ、気にするな、みゃーちゃんの奢りだ、一人なら連れてきても良いって言ってたから」
・・・
「いやあ、こないだぶり、生きてた様だにゃ?」
「まだ国内にいたんですか」
「この探偵さんに頼み事があったんだにゃ」
「みゃーちゃんはね、自力で俺を探し出したんだぜぇ
すっげえんだよ」
「ひょっとして同じ依頼内容かにゃ?」
「おそらく。
この事件が解決しないと私、逃亡生活のままなんですよ」
「みゅーちゃんから今少し聞いたけどね。 大変だったにゃあ」
「まあ、このおっさんが俺を頼るってことは、とんでもなく大変って事だ、昔からな」




