029.ナンバーワンエージェントは動けない(1)
ーーーーー 局員
自分の所属する国家安全保障局が相手か、相手にとって不足は無い。 ・・・いや、手に余るかな?
とにかく仲間を集めないとな・・一人では荷が重い。
当時背中を預けていた仲間を・・・?奴らじゃないよね。
誰も信じられないか・・。
まだみゃーちゃんの方が信じられる。
これを “焼きが回った” というのか。 歳は取りたくないものだな・・。
みゃーーー
「ん? みゃーちゃん・・じゃないな
何? これを付けろって?」
『これで会話できるにゃ』
「お前は? どこかで見たことあるな」
『ねこにゃ、みゅーちゃんって呼んで、前に餌もらった』
「ああ、よくうちの庭に来てたやつだな。 確かカラスにやられてたのを助けてやったんだったな」
『みゃーちゃんから借りてきたにゃ、この国のネコなら内政干渉にならないから、とか言ってたにゃ』
「この会話する道具を貸した時点で充分干渉しているがな。
力を貸してくれるのか?」
『みゅーちゃんは無力にゃ
でも、ネコネットワークは使えるにゃ』
「ありがとな、力を借りたい いや、貸して下さい」
『はいにゃ、ネコの恩返しにゃ』
どうやらみゃーちゃんは世界中のネコの集まり『世界ネコ友の会』を設立したらしい。
普段飼い主になかなか恩を返せていないが、いざという時に全国ネットで力を合わせて助け合いをするらしい。 飼い主同士が敵対した場合は双方手を出さない決まりらしい。
国家安全保障局にはネコ飼っている人たくさんいると思うんだけど。
餌くれるだけじゃ飼い主として認められないのかな。
よくわからないが・・すごい。
「みゅーちゃん、人に見つからずに、地図のここの所に移動したいんだが、出来るか?」
「付いてくるにゃー」
走り出した。
ちょっと待って速い・・・壁を乗り越えるのか? ・・・待て待て・・ここ飛び降りるのか?
だいぶ苦労したが誰にも見つからずに移動できた。
ネコネットで見張っているから可能なのだとか・・
よくわからないが・・すごい。
ここは昔私が使っていた隠れ家だ、エージェント時代の名残で今も維持している。
食料とか武器とか色々揃っている。 懐かしいなぁ。
みゅーちゃんもするするっと入ってきた。
餌は・・あまりないな・・乾燥した野菜・穀物ぐらいか。
「食べるか?」
『はいにゃぁー』
ぽりぽり食べている。
「悪いなこんなものしか無い」
『大丈夫、ねずみでも食べておくにゃあ』
さて、活動資金も少しあるが、これからどうしようか。
私が生きているのはバレてしまったからな。
頼りたくはないが、あいつを頼るか
スーパー探偵X・・である。
いかにも怪しい名前だ・・・名前じゃないか
金のためなら非合法なことも厭わない、何度か使ったが優秀だ。・・高いけど。
「金は足りるかな?」
『お金ならあるよ』
「みゅーちゃん、お金持っているの?」
『いざという時に使えってみゃーちゃんがくれた 、 はい』
「ってこれ日本の小判じゃないか、 5枚ある。 これで交渉するか、 ありがとな」
『これは、見返り必要、 この件が終わったら、私を飼って』
「もちろんいいぞ、 私も恩は大切にするからな」




