027.新事務所(3)
それから日常という名の退屈な日々が過ぎた。
退屈と言っては失礼だった、依頼者にとっては大きな問題なのだから。
そうそう特殊な事件が頻繁に起きるなんて物語の中でしか無い。
そう思っていた、そう思い込んでいた・・・間違いだった。
事実は小説よりも奇なり、と言う。
頭の片隅にはあったけど・・あのキメラ事件の再来の様だ。
A国国家安全保障局の人が探偵社・・・じゃなかった、A国側だから大使館にやって来た。
「査察は受けませんよ」
「何も言っていないが・・・
今回は別件だ。」
「ネコの捜索願ですか?」
「国家安全保障局がそんな依頼で来ると思うか?」
「思います、役職を使って個人的な依頼を押し込めるとか・・・
違いますか、
では1日局長の依頼でしょうか?」
「そんなものは無い。」
「困ったときのネコ頼み?」
「正解だ」
「まさか」
「そのまさかだ」
「勲章を頂けるので・・」
「んなわけ無いだろ、漫才しに来たわけじゃない」
「だって、なかなか要件を言ってくれないから」
「言いにくいだけだ」
「では、そのままお帰りを」
「あ゛ーもう分かった、分かった
昔日本で発生したキメラ事件だよ。」
「知っています。そんな事だろうと思っていました。」
「何か情報を持っているのか?」
「UFO情報の公開が条件です」
「あれはさんざんテレビでやってるだろ、そんな様なもんだ」
「いえ、この事件の解決に必要です」
「あれは情報局の仕業だろ?」
「今回の容疑者です。
UFO情報の公開は陽動作戦です。
新たな証拠が見つかったとか・・・とにかくそちらの処理に力を向けさせようとします。
が、今回の事件をなんとか抑え込みたいと力を入れているので手薄になっているはずです。」
「なるほど、それで」
「陽動作戦と見誤らさせて、
UFO情報をゲットします。
実は陽動作戦が本命だったという・・・」
「いや、キメラの件は?」
「そもそも何故ここへ依頼しに来たんです?
もっと優秀な組織たくさんあるでしょ」
「今まで何度もキメラ関係事件を解決した実績がある」
「退治したのは主ですけどね」
「いや、探すだけでいい」
「ここ大使館ですけど」
「みゃーちゃん探偵社の事務所でも有るんだろ」
「残念ながらこの国で登記していません」
ぱたんっ
「登記しておいてやった、これでどうだ」
「えっ、そんな事出来るの?」
「超法規的なんとかってやつだ」
結局捜索する事になってしまった。
だって美味しいキャットフードくれるって言うんだもの。
C国産じゃないよね、なんか変なもの入ってないよね。
毒見ペンダント光ったら殺人未遂で訴えるからね。 ・・殺ネコか・・動物愛護団体に訴えるからね。
「キャットフード1年分ね」
「365個だろ」
「1日2色ですから730個、と基本料金と、必要経費・・・もろもろ」
「そのぐらいなんとかする」
「それと手配してもらいたいものがある」
「なんだ?」
「対空装甲車」
「何と戦うつもりなんだよ」
「国家権力、おそらく戦闘機にやられる」
「対空装甲車ぐらいじゃやられちゃうだろ・・・それ前提か?」
「それはダミー、私達は・・主に頼んでなんかもらう」




