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みゃー探偵社  作者: ぽしょなれ


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021.専属アドバイザーのお仕事(6)

とりあえず事件を無事に解決することが出来た。


もちろん主の助けのおかげである。


署長は私をエサにして主の力を利用しているんじゃないだろうか。


主にそういったら、人は誰も利用しあって生きているんだよ、それは助け合いっていうの。


と教えてくれた。私はネコだけど。 主は人外だけど、私だって人外だ。


人外同士が人の話をしても・・・と思ったけど。黙っておいた。


そういう署長は今、目の前にいる。


私は新しく主に作ってもらったヒメちゅん用のリュックシェルターに避難している。


署長がなでなでしてくるからだ。


「今日はみゃーちゃんにお願いがあってきました。」


「嫌ですにゃ」


「そう言わずに、実は1日署長をお願いしたくて」


「嫌ですにゃ」


「高級キャットフードを付けます」


「やりますにゃ」


ガッツポーズをしている。


「1年分くださいにゃ」


私言っていないよぉ。 ヒメちゃんのアドリブ?


「・・・・んーーわかりました」


今度はヒメちゃんがガッツポーズをしている。


そんなやり取りがあり、今日は警察署に来ている。


ネコ用の署長コスチュームを渡された。 帽子とタスキ。


ひょっとして署長は私にこれを着せたいがために一日署長を依頼したのか?


式典は私の表彰式から始まった。非公認とはいえ警察内部ではその実体は知られている。


一日署長のイベントでの仕事は・・・私は特設の署長の机にちょこんと座っているだけだ。


もちろんその日は一般人も来ているイベント会場は一般開放だ。


私が人語を理解できるのかは知らないらしい。 周りで色々な話をしている声が聞こえる。


「おいっ、作戦実行だ」


「セット完了」


なんか嫌な予感


「ヒメちゃん来て」


ヒメちゃんを呼びつけてバリアを展開。


程なくして爆音が・・・よくある一般公開日の襲撃事件だ。 物語ではね。


パニックが起きた。


おそらくは陽動作戦。


本来の目的はテロではなく別にあるはずだ、だって爆破だけなら「作戦実行」なんて言わないよね。


非難誘導をしている警官をすり抜けて署長を見つけ出して警告する。


「署長、目的は別、なにか盗み出すつもりかも」


「みゃーちゃんほんと?」


「なんかの証拠品じゃないかな?」


「分かった保管庫に人を回す。

 みゃーちゃんはみんなに指示を出して」


「?なんで?」


「今日はみゃーちゃんが署長だから」


「えっ? 一日署長ってお飾りじゃなかったっけ? 責任問題にとかならないよね。


 しょうがないな。


 二手に分ける。


 一般事務系は一般人の避難誘導、避難後離脱は禁止。

 離脱するものがいれば追跡をするから連絡を。

 残りは出入り口の監視と保管庫、鑑識まわりの警備に集中、建物からの入退出の禁止を徹底


 行けー!」


言葉はヒメちゃんが出しているけど、さすが凄味があるのか、全員が疑問を持たずに指示に従った。


「ノラ、爆発物を嗅ぎ分けて、他にもある様だったら知らせて。」


「んー  ないよ、でも同じ匂いを付けたものが、どこかへ向かってる」


「館内地図でしめして」


「ここ」


「予想通り保管庫の様だ」


「保管庫へ急げ、完全装備だ」


パーン パーン


銃声だ


遅かったか


保管庫警備を強化したため、犯人達は逃げられなくなった、立て籠もって銃撃戦が始まった様だ。


「銃撃戦だってぇ、セキュリティチェックはどうなっている?」


「銃保管庫から盗まれた様です」


「ノラ、自爆はあり得るか?」


「爆発物っぽいのは小さな反応しか無い」


最初の爆発は建物の外だった。


大きな爆発物は発覚の危険を避けるため内部に持ち込めなかった様だ。

扉を破壊するぐらいの爆発物か。 あるいは自害用?


「行くよ」


こんなときに主が準備してくれた『探偵セット』、必要あるのかなって思っていたけどこんな時に役に立つ


主の考えは深いようだ、ここまで想定していたのか


『探偵セット』といっても主の作ったものだ普通ではない


・毒見ペンダント 毒に反応して光る。 以前◯◯山荘で使った。

・睡眠爆弾 睡眠魔法が発動するのでマスクをしていても関係なく眠らせる。有効範囲直径5メートル

・ナノゴーレム 対象者に取り付ければその位置を知る事が出来る。

      自立型で簡単なことなら独自判断で実行可能

・鑑定メガネ 魔道具で物の鑑定ができる。

・爆発物隔離装置 ホーリーケージで囲んで周りに被害が出ないようにする魔道具

・自白装置 相手に不快感を与えず気が付かないうちに質問に答える様にする人道的な魔道具


防御バリアやリュックシェルターは標準装備なのでこのセットには含まれていない。


銃撃戦の現場に着くと負傷者が運ばれていくところだった。


私は睡眠爆弾を取り出して立て籠もり先に投げつけた。


立て籠もり犯は5人。


ぽしゅん


・・・あるじぃ、もっとかっこいい音しないの? 視覚効果とかも欲しい・・・


あっ、立てこもり犯の額に私のマークが・・・


どうやら、睡眠爆弾には対象者を示すマーカー機能があるみたいだ。


私が解除しない限り、そのマークは消えないみたいだ。 よく説明書を読んでおけばよかった。


まあ、面白いからいいか。


「ノラ、爆発物を探して、爆発物隔離装置へ」


「了解」


不審人物たちは確保できた様だ。


念のためにナノゴーレムをぽいっと口の中に居れておいた。


『ナノゴーレム、体内に入り込んで待機』


これでもし逃げられても追跡できる。


額のマークが恥ずかしくて逃げられないかもしれないが、マークは隠せる。


たぶん顔の皮膚を深くぺろっと剥がさない限り取れないらしい。


頭蓋骨まで侵食するみたいだ・・・可哀想。


取り去ろうとすると脳まで侵食する。 そうなると頭の中でみゃーちゃんのイメージが飛び回る・・・


あるじぃ・・地味に酷い。


こうして5人の被害者・・・じゃなくて立て籠もり犯は確保できた。


今日は署長自ら尋問の席についた、もちろん私の自白装置を隠し持って。


ぽちっ


「名前は?」


後前上下(うしろまえ じょうげ)


「今回の目的は?」


「キメラ事件の証拠隠滅」


・・・・


ぺらぺと喋ってくれた。 本人は自覚していない。 主の魔道具・・・怖い。


主はこれを人道的と言う、主は隷属化して自白されるよりもいいと。 強制的なのは変わらないよね。


あくまで『的』なのでそのものでは無いと・・・いいのかな。


まあ私は必要な情報が欲しいだけなので人道的かどうかは関係ない・・ネコだから。


それに今日はもう定時が終わる、1日署長も終わりだ、本当の署長にバトンタッチした。

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ジーンが暇つぶしに始めたエラン探偵社の飼いネコ、みゃーちゃん視点の物語を書いています。
みゃーちゃんが探偵になって、主であるジーン達の助けを得ながら活躍します。
『ぽしょなれ異世界』 URL https://ncode.syosetu.com/n9487jk/
545.御神幸(245) ミルナリア帝国(65) エルナミア防衛軍(16) 移動中(3)
に登場する猫ちゃんのスピンオフです。
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