002.日常のお仕事(1)
えらそうな事をいったけど、日常の仕事で一番多いのが
『迷い犬捜索』と『迷い猫捜索』だ。
迷い猫捜索は私のネコ情報網を使えばすぐに見つけられる。 天職みたいなものだ。
だけど、迷い犬はネコ情報網だけでは足らない。 行動範囲が結構広いのだ。
そこで私は、野良犬の『ノラ』を子分にしている。 野良犬ならば行動範囲を広げられる。
言語理解で犬語はわかるが私は話せない。
そこでちょっと心苦しいがエマージェンシーボタンを押して主に来てもらった。
そしてノラに猫語を理解してもらえる様にしてもらった。 これでノラと話ができるようになった。 ありがとう主。
これで『迷い犬捜索』と『迷い猫捜索』に関しては、他の探偵社に追従を許さない環境が整った。 おかげで、収入は安定していて、マエの給料も賄えている。
ノラが野犬刈りに合わない限り・・・
そうなっては困るので、ノラも探偵社で雇うことにした。
その次に請け負う事が多い仕事は『浮気調査』だ。 一般的な探偵社はこれが一番多いのだが、『迷い犬捜索』と『迷い猫捜索』だけでなく、『浮気調査』まで独占してしまったら、他の探偵社に目を付けられてしまうので受注を控えている。
浮気調査自体は簡単だ、ネコなので誰にも怪しまれずに近づき写真が取れる。録音も取り放題。
交通事故だけは気をつけないといけないけど、バリアが自動発動してくれるので大丈夫。
二回ほど撥ねられたけど・・・。
浮気調査依頼が来たときは他の探偵社を紹介して、その探偵社からの調査請負という形で調査のみしている。 それも受注しすぎると、他の調査員の仕事を奪ってしまうので、極困難な仕事のみ請け負っている。 実に面倒なことだが、人間社会では必要な配慮らしい事を主から学んでいる。
そうしているから、迷い猫探しとかの仕事も回してくれるし、人手が必要な場合とかは好意的に人員を貸し出してくれている事もある。 お互い限られた資源で仕事をしている、業界として協力していくことが大切らしい。
もっとも、大手探偵社はそうでも無いらしいけど。それはそれで仕事の受注が大変だろう。
極たまにではあるがそういった大手会社の下請けをする事もある、納期が迫った依頼で人員不足で仕方なくらしい。
そう言っているが、私は知っている、単純に探し出せなかっただけだ、でも私は快く引き受けている。
それは、探されているネコちゃんワンちゃんのためだからだ。 ただし、探し出しても本人に拒否されれば引き渡さない事もある。 いじめられている場合があるからだ。 その場合でも料金は払ってもらう。引き渡すのが仕事でなく、探すのが仕事だからだ。
依頼を受けるときに、帰るのを拒否されたら引き渡さないという事を事前に約束している。
これは他の探偵社に真似できないことである。
私はできるネコ探偵なのだ。
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私はノラ・・・というらしい。 ネコのみゃーちゃんの弟子だ。 探偵社の一員になったことで子分から弟子に昇格したみたいだ。
野良犬だったけど、みゃーちゃんにスカウトされたんだ。
ネコとイヌなので会話できなかったが、みゃーちゃんの主にネコ語が理解できるようにしてもらった。
主はイヌは媚び諂うバカと思っているらしく、あまり好きでは無いらしいが、ネコだってそんなに賢くは無い。が、みゃーちゃんは人間並みに賢い。 みゃーちゃんを見習って主に認められるように頑張ろう。