017.皇姫
翌日、事務所に来訪者が・・・。
客ではない。
皇姫だ。
ただ以前よりこじんまりしている。主の持っているホムンクルス母体のサイズがピッタリの物がなかったらしい。 その他の作りは同じで少し若返った感じだ。 嬉しそう。
「今日はお礼とお願いがあってきました」
「はあ」 なんだろう
「まずは、この身体のこと、ありがとうございました」
「それは主のしたことだから、私はお願いしただけ」
「それでもお礼を言いたいのです」
「はい、まあ、・・・それでお願いとは?」
「ここで雇っていただきたいのです」
「えっ? こんなところで働きたいの? 主、施術失敗したのかな?
ここ、しがない探偵社ですよ、給料やすいし」
「かまいません、
それからスメちゃんに言ってたことほとんど当たっているけど、ちょっと違うの」
「まあ、適当に言っただけですから」
「実は私がフィクサーだったの、今は彼に代を譲って彼がフィクサーだけどね。
だから間違いとも言えないんだけど」
「なるほど、でも、なんでこの探偵社に?」
「楽しそうだったから、 それにみゃーちゃんは私の恩人だし」
「?? そう? かなぁ?」
まあ今は結構儲かっているので雇えるな。
皇家への伝が持てるのもメリットがあるかな、なんと言っても主のホムンクルスだし。
「じゃあ、よろしく、一応スメちゃんのポジションだけど、いい?」
「もちろん、こちらこそよろしく」
こうして、スメちゃんの交代要員としてヒメちゃんが就職した。
ヒメちゃんは優秀で事務処理も完璧だ。 ノラの面倒もよく見てくれる。
ちなみにヒメちゃんも多言語理解のスキルが付与されているらしい。
なので直接話せるので便利だ。
主のことだからそれ以外にも人外の機能がいっぱいついているに違いない。タエラ程ではないにしても。
更に受付業務でも客を引き付けるのが得意なようだ。 容姿も会話能力も高い。
マエちゃんが自分の存在意義が薄らぎ、ちょっと焦りを持って来たようでちょっと力が入ってしまっている。
出勤も定時になった。 本当の定時を知って怒っていたけど、要は今までと変わらない時間だ。
そんなこんなで、彼女の存在はいい刺激になっている。
実は主にもみゃーちゃんをよろしくと頼まれているらしい。




