012.社員旅行(1)
社員旅行、何処へ行こう。
「温泉」
「却下、ネコとイヌが入れない」
「登山」
「却下、ネコとイヌには厳しすぎる」
「キャンプ」
それなら問題なさそうだ。
「一週間の予定でキャンプ旅行にゃ」
キャンピングカーをレンタルし、色々な道具もレンタルだ、福利厚生だから経費にできるかな?
冷蔵庫に発電機、テント、BBQセットもある。 クマスプレーと熊鈴もある。
車の運転は主にスメちゃん・・・雇って良かった。 たまにマエちゃんに交代して休憩。
私とノラは運転できない・・・ネコとイヌだから。
でも、私もちゃんと貢献している事故防止のために主から貼り付け型のバリア発生機を借りたのだ。
・・それって防止じゃないよね。対策だよね。
バリアはおそらく爆撃機に爆撃されても大丈夫だ。
爆撃される事は無いだろうが、火山が爆発したら火山弾ぐらい飛んでくる可能性がある。
主は核攻撃でも大丈夫と言っていたが嘘だろう・・・本当かな?
いくら主でもそこまで想定していないだろう。 だって核弾頭は全て押収したって言ってたし。
あっ、隕石の可能性もあった。
キャンプ旅行と言ってもキャンプだけでは飽いてしまうので、山荘にも止まる計画になっている。
初日は移動の疲れを取るために山荘に泊まる。
山荘には5組の宿泊客が居た。
山荘と言っても豪華な作りで、一室二部屋のスイートルームだ。コネクティングルームかな?
私とマエちゃん、ノラとスメちゃんの部屋割りだ。 もちろんペットOKの宿だ。
ペットじゃないけどね。
私は何か違和感を感じ、マエとスメとノラにフォーメーションBを指示した。
フォーメーションAは攻撃体制、Bは警戒体制、Cは非難体制、Dは防御体制だ。
フォーメーションBでは私とノラはペットモードだ。
飲食物の毒物チェックも行う。 これは主から支給されているペンダントでチェックできる、これにかざせば薄く光って危険性を教えてくれる魔道具と言われるものだ。
ディナーの前にロビーで全員が集まって談笑している。
ペンダントがほのかに青く光る。・・・空気に何か混じっている・・毒ガスか・・一酸化炭素か?
いや、青の場合は、致死性のものでは無いらしい、睡眠ガスか?
マエに頼んで窓を開けてもらう
「ちょっと空気が悪いようね」
窓を開放すると、ペンダントの光は消えた。 一時的な物か?。
メタンガスが溜まっていたとかかもしれない。 いやメタンガスは空気よりも軽いから階上の客室でも反応したはずだ。 プロパンガス漏れなら匂いが付けてあるのでわかる。 ブタンガスか?
とにかく匂いがついていないガスだから意図的に流したものと思われる。
客か、宿か? 目的は? 原因は?
みんな何事もなかったかのように食堂の席につく・・・いや、どうやら一人来ていないようだ。
全員は揃っていなかった。
その同じグループの一人が部屋に確認に行った。
「きゃぁ〜〜」
ここまでは想定済みだ。 ◯◯山荘殺人事件などでよくあることだ。
宿の主人とグループのメンバーが駆けつける。
メンバーの一人が裸でらりっていたらしい。
ガス遊び? だった様だ。
漏れたガスが階下に漏れてきたらしい。
これは想定外だった。 殺人事件が起こると思っていたのだ。 推理小説の読み過ぎか。
そうそう物語のように事件は起こらない。 よね。
ただ、私達の対応は正しかった。 誇ってよいだろう。 さすがみゃー探偵社