010.日常のお仕事(7)
「みゃーーー(集合)」
落とし穴が広がってここまで飲み込まれそうだ、探偵社のみんなを集めてバリアを張った。
ズズズズーーン
周りを巻き込んで穴に落ちていった。
バリアは安全のために、落下速度を落としたり、揺れを抑える機能が付いている。
あるじ特製のバリアだ。
ふわっと無事に穴の底に不時着した。
ぞぞぞぞっーーー
なんか居るぅ
巨大な大蛇が居た。 なにも居ないはずじゃ・・・・
エマージェンシーボタンを押した。
「あらっ、みゃーちゃん大丈夫? ここ・・は落とし穴の底・・・
みゃーちゃん危険だっていっておいたでしょ」
『私は注意したのにテレビ局の人が掘っちゃった』
「そうなの、じゃあ仕方ないね・・・・それにしても・・」
しゅぱっしぱぁっ
大蛇を輪切りにした
「・・いつの間にかこんなの住み着いちゃってたんだね」
『他の人も助けてあげてにゃ』
「ああ、そうね、みゃーちゃんのせいにされたら大変だからね。
今度は大惨事になる前にエマージェンシーボタン押してね、今忙しいから帰るね」
全員を地上に戻し、死にそうな人には治療を施し帰っていった。
主は帰ってしまった。・・・念話では話してるけど、直接お話したかったのに。
私が探偵社をやめたらそばにおいてくれるだろうけど、そうすると路頭に迷う仲間がいる
主も私と同じ、そんな仲間のために働いている。 私ももうちょっと頑張ってみよう。
・・・・・
「ただいま、現場からの中継です。
番組制作会社の現場責任者が連行されていきます。
ご覧のようにぽっかりと穴が空いています。
まだ地盤が緩んでいて危険なようなので、これ以上は近づけません」
次の日、テレビニュースになっていた。みゃー探偵社が映ってる。
テレビ出演は出来たね・・・・。
「番組制作会社からは、ネコ探偵の指し示した所を掘ったと言っています。
これに関して現場近くに居た識者である猫山さんに意見を聞くことが出来ました。
取材映像を御覧ください、
『ネコは危険察知力に優れているんです。 そのネコが指し示したのなら掘っては駄目でしょう。
犬が、ここほれわんわんと言ったわけではないでしょ』
との事です。 私も同意見ですが、皆様はどうお考えでしょうか・・以上現場からの中継でした」
で、私達は今、事情聴取を受けている。
主の落とし穴以外に関しては正直に答えている。
聴取担当が署長と交代した。 記録係は帰ってしまった。 オフレコモードらしい。
「それで、どうやって助かった?」
「主に助けてもらいました」
「あいつか。・・あいつの事は答えなくて良い、アンタッチャブルだ」
「その他は正直に答えています」
「わかった帰って良い。 お前もトラブル体質だなぁ」
「ほんと探偵がトラブル体質では困りますね。」
マエ、私のせいじゃない、いや責任は無いけど、呼び込んでしまうのか?
不幸中の幸いにも死者が出なかったことで、番組制作会社も業務上過失致死には問われなかったが、放送局から使われなくなったことで倒産してしまったらしい。
これも私のせいじゃない。
逆恨みで元番組制作会社から危害を加えられるかもしれないので、セキュリティレベルを上げる事にした。
それが危機管理というものらしい。 にゃるほど