001.みゃー探偵社
この物語は『ぽしょなれ異世界』のスピンオフです。
『ぽしょなれ異世界』 の本編URL https://ncode.syosetu.com/n9487jk/
自己紹介をしよう。
私はみゃーちゃん。 ネコだ。
綺麗な黄色目のチャーミングな黒猫、子沢山の母親だ。 父親は隣町のボス猫だが私の子どもたちが縄張りをどんどん広げているので私の支配域は父親の縄張りよりも広い。
私は、ある事件をきっかけに今の御主人様の飼い猫になった。
前の飼い主・・・まあたまに餌をもらうだけの関係だったが、そいつはとんでもないやつだった・・
私の活躍でそいつが捕まり、私があわや野良猫となりさがろうとした所を拾ってもらった。
主は何故か猫語を解して私に話しかける。 話すと言ってもなんか頭の中に直接話しかけてくる。
念話・・とか言ってたな。
主は私に加護を与え、人間の言葉を解する能力をくれた。 多言語理解スキルというらしい。
いままで感覚的にしか分からなかったが、言葉の意味がはっきりと分かる様になった。 どうやら加護によって知能も上がったらしい。
だけど、残念な事に人間の言葉を発することは出来なかった。 何を言っても『にゃー』になってしまう。ニュアンスは届くみたいだけど。
そんな私のために、主は人間の世話係を雇ってくれた。 そして彼女にも加護を与えて猫語を理解してくれる様にしてくれたのだ。
私が人間と話したいときは彼女を通じて会話ができる。
主は『エラン探偵社』の捜査員だ、といっても実は社長らしい。会社設立のために知人に名を借りて会社を作り、身分を隠すためにジーンと名乗っている。 主の名前は色々あるらしい。 私と一緒だ、私も街を歩くと色々な名前で呼ばれるからね。
主は全宇宙全世界?を駆け巡って活躍している超多忙な女神様らしい。 女神って何?
主はとても忙しいらしく、たまにしか来てくれない。 だから会社名も『みゃー探偵社』に変えてくれた。
社員は私と助手のマエだけだ。マエは警視庁からの潜入捜査員らしい。主が警視庁に目をつけられる前に自分を潜入捜査しろと助言して付けてもらったらしい。 潜入捜査の意味あるのだろうか。
私は接客ができないのでマエが居るととても便利だ、餌も準備してくれるし。
私は接客時には主特製のリュックに潜り込んで、頭をちょこんと出して話を聞いている。
このリュックは優れモノで、トイレの処理も自動できれいにしてくれるしいつも快適な環境を保ってくれている。 試したことはないがとても頑丈で、ビルが倒壊しても壊れないらしい。 非常食とかも完備しているので生きながられるし、エマージェンシーボタンを押せば主が助けに来てくれる。
あと加護のお陰であまり歳を取らないので老衰死はしないらしい。私にはどうでも良いことだけど、助手のマエも加護をもらっているはずだ。 どうするのだろう? 年金には年齢の上限無いのかな? 不正受給で逮捕されるかもしれないね。
主は探偵である私のために色々装備をくれた。
まずは先程も説明した多言語理解能力、
外敵から身を守るバリア、
証拠を捉えるカメラと録音機、
あまり使うことは無いと思うけど隠密スキルと身体能力強化スキル。
これを使うと姿を消したり、ビルを飛び越えたりもできるらしいけど、・・・主は過保護なようだ。
でもネコ探偵にはどんな危険が待っているかわからない。『備えあれば憂いなし』らしい。
私としてはスキルを使うような状況は極力避けたい。が、そうも言っていられないのが探偵らしい。
その他は、主を呼び出すためのエマージェンシーボタンと、なにかお守りみたいな物などが沢山ある。
主の探偵の仕事ぶりはとても強引というか・・何故か解決してしまっている感が強い。
意図してやっているか、偶然かわからないところが主のすごいところだ。
が、私はもっとスマートに仕事をこなしたいものだ。