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卒業式の定番は断罪……?

 私が婚約宣言を受けた相手は、ジャイルズ・アンダーソン。

 もしかしたらアンダーソンは最初から、卒業パーティーで婚約宣言をするつもりだったのかもしれない。


「俺は、過ちを犯しました。ですがそれは、愛がなかったからじゃない。寧ろあなたを愛していたから間違った選択をしてしまった。どうか愚かな俺を許してほしい。これからは間違わないと誓う。俺をもう一度シャルロッテ・アイゼンハワーの婚約者にさせてくれ、頼む」


 宣言しアンダーソンは頭を下げる。

 なんだか、彼は芝居じみている。

 彼の突然の宣言に様々な声が聞こえる。


『ジャイルズがこれで婚約者に戻ってくれたら、愛人作ってもお咎めなしだよな』

『俺も、婚約復帰になるかも』

『ジャイルズ、俺達の未来も掛かってるから頼むぞ』


 令息達はアンダーソンを応援している。

 婚約者や妻以外に愛人や恋人を作っても問題ないとう事例が欲しいのだろう。

 一方令嬢達は……


『そんな婚約受けないでください。でないと、私はまた我慢の日々を……』

『信用できない人と婚姻を継続しなければならないなんて辛いです、令嬢も婚約を受けてしまえばきっと後悔します』

『アイゼンハワー令嬢には私達の未来がかかっています。お願いします……再婚約などしないで』


 切実に願っているのが伝わる。

 

「パーティーだって……楽しんでいたじゃないか? 」


 いつの話? 

 記憶喪失前の事を言われても困る。

 だが私の考えとは違い、周囲は別の事思い出していたようだ。


『確かに、仮面パーティーで二人一緒だったよな』

『なんだよ、そうなのかよ驚かせるなよ』

『えっ、どういうことだ? 』

『アイゼンハワーの方はもう許してるってことだよ』


『あなたは達、勝手なことは言わないで』

『パーティーに参加していた女性は他人で、アイゼンハワー令嬢ではないわ』

『あれだけパーティーに参加をしないと表明していたんですもの、参加するはずかないわ』


 令息達は安堵し満面の笑顔を見せ、令嬢達は必死に否定するも表情は悲し気だ。


「アンダーソン伯爵令息」


 私が笑みを見せて名を呼ぶと、更に勘違いが生れていく。

 

「アイゼンハワー令嬢……」


 先程まで切羽詰まった表情だった彼にも笑顔が生れる。

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