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プロローグ

……チ……パチッ……パチ………


暗い部屋。

所々はげた床から炎がゆらめく。


私の手には、ぬらぬらと炎と同じ色のソレ。


血だ…。


饐えた臭いが、燃えたつ社にみちていた。


誰の血かなどもう分からない。

何人も何人も殺したから、もう分からない…。


「ひぃぃぃっ、化物っばけもの!

くるなぁぁぁっっっ…」


這いつくばった男が、私の足元で悲鳴をあげた。


(………………………)


(……あなたが、ばけものと言うの?)


立ち止まった私を見て、男はヘラヘラと笑いながら呟く。


「そ、そうだ。お前は俺の娘だろ?

親は殺さないよなぁ。

そうだろ…な、なっ?」


私の足に擦り寄りながら、上目づかいに見上げる姿は、

卑しく賢しい餓鬼にも見えた。


(馬鹿な男…)


「ぐべっ!」


私は無言のまま、父であった男を踏みつけた。


体ごと床に沈みこむ姿は、哀れというより滑稽だ。


「そうね、お父様。

私は殺さないわ。

そうよ、殺してくれと頼まれたって殺してあげない」


「ひっひぃぃぃぃぃぃっっ」


床にめり込んだ体に、どこからともなく火が燃え移る。


火は服から体へ燃え移ると、すぐに全身へ燃え広がった。


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁあぁぁあぁっ!」


あら、お父様どうしたの?

苦しいかしら。

そうよね、辛いでしょう?


私はよりいっそう力を込めて男を踏みつける。


「ぐぅっぅっ!

あ”あ”あ”あ”っ、がらだが、がらだがもとにぃぃ……」


「死ねないでしょ?

それが私たちの呪いですもの…

苦しくてもがいても…死ねやしない」


チリチリと焼けた体の一部が、一瞬あとにはもう再生し。

それと同時に焼け爛れていく。


「姉さんはもっと苦しかったのよ…

もっと…悔しかったのよ!

生きたまま食べられたんだからっ!」


―――ぐちっ


力を入れすぎたか、私の足は父の腹にめり込み貫通していた。

ケロイド状になった肌と、醜く滴るはらわたが見える。


「ぉおぉおぉぉぉぉぉおおおおおっっ!」


壮絶な咆哮をあげる男に、私は何も感じなかった。

怒りも、悲しみも、嫌悪感さえ感じずに。


ソレを観る。


「そう、ね…」


ふと、私はずっと頭にひっかかっていたことを思い出した。


「私、とてもとても知りたいことがあるの…」


私はそっと耳元で呟いた。


「教えてくれたら、殺してあげる…」


………………………………


………………………


………………


「……ありがとうお父様。

大嫌いだったけど、最後だけは役に立ってくれて…。」


「………ぁ…………ぁ…」


「そう、感激でなにもいえないのね」


心が壊れたのか、もう父であったモノはピクリとも動かなかった。

いくら不老不死でも心さえ壊れてしまえばそれは肉の塊とかわらない。


「ふふっ………さようなら、クズ」


私はゆっくりと…

壊れた男の心臓を踏み抜いた。



はじめまして、デブ猫寝太郎というど素人です。

小説を書くのはなにぶんはじめてですので、生暖かく見守ってもらえると嬉しい…かも?

趣味で一般小説やラノベを読みあさる毎日に、ちょろっと自作してみようカナ?

とか、本気で書かれている人に殴られそうな動機で書き始めてみました(汗

これからちょろちょろと更新していこうと思いますので、よろしくお願いします!

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