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第61話

「でも苦手意識を緩和させる方法なんてあるのかな?」


「そこは大丈夫。ちょうどよく私達はタイプが違う。段階を踏めばいけるはず。」


「ん、ん-?あーしらとサイの間が結構差がある気がするけど…」


「…問題ない。そこに寝たふりを続けている人がいる。ナオヤ君だって小さな身動ぎしているのに微動だにしないのはおかしいから起きている。」


 サイに言われて2人もポリーを見つめていると慌てて起き上がった。


「お、起きてますって。もう…なんで私まで巻き込もうとするんですか…そもそも私はリアルで関わりもないですし一緒に居るのもイベント期間だけですよ?

 あなた達からすると長期的に緩和していくんじゃないです?私的にそういう事に巻き込まれるの怠いんですけど。」


「1つ、手助けしてもらって申し訳なく思っている。

 1つ、エルフ族の拠点に戻るよりこちらにいたほうが怠くはない。

 1つ、ナオヤ君に悪感情を持っていない。逆に興味を持っている可能性すらある。」


「うっ…間一髪という場面で助けられたら気になるのは当然でしょ!女3人も侍らせてやばい男と思ったら全然違うし!…まぁ今更エルフの拠点に戻っても面倒なことになりそうだからイベント中くらい一緒に行動してもいいわ。」


 イナが「ミー、あれってツンデレってやつなのかな?初めて見たよ。」と言っているのが聞こえたようでポリーはすぐに否定していた。

 

「私に何か力が流れ込んできているから無事にスキルがアップしたみたい。そろそろナオヤ君を起こす。」


 サイはナオヤの頭を撫でながら少し体を揺らし小さく呼びかけた。





 体を揺り動かされ、俺はゆっくりと起き上がった。勢いよく起き上がると頭同士をぶつける事になりかねないから注意が必要だ。それにしても…サイといいハルといい柔らかくて寝やすい。そもそも、膝枕をしてくれるなんて男としては嬉しい事ではある。


 まずはスキルの確認だな。


膝枕 Lv7:説明:異性に膝枕をする・されることにより一時的にステータスが上昇

 熟練度が上がると持続時間と上昇率が上がり、スキルが発動するまでの待機時間の減少。

 持続時間12h、発動待機時間20分、バフのON/OF可能 AM4時リセット

 膝枕をした・してくれた相手にも同様のバフがかかる。

 ただし持続時間は人数の割合で減少する。


昼寝 Lv7:説明:日差しのある外で寝ることにより一時的にステータスが上昇

 熟練度が上がると持続時間と上昇率が上がり、スキルが発動するまでの待機時間の減少、環境条件の緩和

 持続時間12h、発動待機時間20分、バフのON/OFF可能 AM4時リセット

 日のない場所でも発動可能

 昼寝をしている相手を中心に5m以内にいる者にも同様のバフがかかる。

 ただし持続時間は人数の割合で減少する。



 …俺が思っていた以上の強化!?倍率は分からんから何とも言えんが人数比だから持続時間はかなり減ったが範囲バフになっているし!俺、ずっと寝てバフを巻いたほうが良いんじゃないか?


『強化の倍率?普通だったらLv1で20%、Lv5で100%、Lv7なら150%って所かしら。ナオヤのスキルが重複しないからふたつ合わせると2.25倍ね。』


 あ、流石にそこは加算じゃなく乗算なんだ。加算で3倍だったら確かに伸びすぎるもんな。って、いやいや!Lv10が200%とするとここで逆転するじゃん!スキルの上限が10なのか分からないけどさ!


「とりあえず効果を共有するか…まずは膝枕はした人にもバフが共有、昼寝は5m以内の人にバフが共有、時間は人数比で減少だから両方かかっているのは2時間ってとこか。強化倍率は両方なら2.25倍、バフのON/OFFは可能だから戦闘以外では温存出来る。」


「え、つよ。たしか全てのステータスってことは力とか重複するかもだけど身体能力もあがって単純に攻撃力や防御力も上がるよね?やば…」


「自分の性格に沿ったものが覚えやすいというけどナオヤ君のそれはすごい…」


「しかも範囲バフってことは私達も片方は入っているんだよね?これなら勝てるかも?」


「待って、ねぇ待って!もしかして私達も膝枕したほうが良いの!?」


 勝率を高めるには確かにそうなんだが、急激なステータスの上昇が動きにどう影響を与えるか分からない。


「いや、ここはサイだけ2種で他は1種でいこう。全員にしていると時間も危ういし、なにより上昇したステータスに振り回される可能性がある。サイ、ぶっつけ本番でも大丈夫か?」


「ん、大丈夫。私の役目は回避盾?」


 ステータスに慣れるためにも最初はそのほうが良いだろう。敵からの狙われやすさがどうなっているのか分からないが…


「ナオヤ君、サイが回避盾のがヘイトが安定すると思う。人族がPTで試した感じダメージを一番与えている人>近い人>遠距離やサポート役みたいな順でヘイトが高かったよ。」


「そうだな…ミーは尻尾に注意して後ろ側から攻撃、ヘイトがミーに向かいそうだったらサイがバフを生かして攻撃、ここは2人の連携に任せる。イナはドラゴンの柔らかい部分…目や口を狙ったり動きを阻害するために射ってくれ。ポリーは攻撃魔法というより妨害魔法に分類されるだろうからドラゴンの動きを止めるのに注視、攻撃魔法もあるなら隙を見てか?」


 俺が言い終わると皆が頷いた。


「んで、俺は…ドラゴンっていったらブレスだろうから溜めの動作があったら妨害だろうな…相手の態勢を崩すにもそれなりの攻撃を与えんといけないだろうし。」


「うんうん、任せた!あーしはでっかいトカゲのしっぽでも狙ってみるかな!あれがなければ攻撃も読み易くなるっしょ!」


「剥ぎ取りも最後に忘れない様にね?」


「それ違うゲーム。」


 俺の知らないゲームの話か?ポリーもクスクスと笑っていることから世界共通のゲーム内容なのだろう。こういう時ゲーマーじゃないと話題に入り辛いな。


「敵の強化まで残り1時間、でも慌てずきちんと対応していこう。」


 そう言い俺達はドラゴンのいる空間へ歩を進めた。

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