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きっと。  作者: 桜乙
4/5

1-3

私は


本を読み


彼を見つめ


彼は


本を読み


夕陽をまぶしそうに


眺める。


彼のメガネも


赤く染まる。


綺麗な顔立ちの彼は


「なんて名前なんだろ・・・」


「おねーちゃん、


何してるのー?」


「は!?」


私のニヤけた顔を見て


話しかけてきた


毎日砂場で遊んでる


ドロンコ少女。


「本を読んでるの。


マキには難しいよ。」


「おねーちゃん


頭悪いのにネェ。」


「マキ!余計だよ〜」


キャキャー行って


逃げていくマキ。


そして彼のほうを見たら


「・・・・あれ?いない。」


「どこ見てるの?」


横から声がした。


「あれ・・・きゃ、ちょっと!」


「君の本・・俺と一緒だね。」


メガネの彼が


隣に座っていた。


「や・・ちょっと


興味があって・・」


「本好き?」


趣味じゃありません。


なんて


いえない・・


「うん、大好き。」


「俺と趣味合うな。」


「うん・・」


「君の好きな作家は?」


困った。


罪と罰しか


読んだことない。


「あ、もうドストエフスキーだよ。」


「アハハ!やっぱ一緒だ。


俺は雅人。


君は?」


「私は斉藤ハルカ・・


ハルって呼んでね。」


「あー・・ハル。


初めまして!」


は・・・


はじめまして?


私に気付いてたんじゃないの??


彼はやっぱり


本が一緒ってだけで


話しかけてきたんだね・・


「あ・・うん。よろしく」


そうして時計が


ボーンボーンとなった。


「あ、塾の時間じゃん。


それじゃぁ、また。」


「あ・・!


私、南中!!


あなたは??」


「俺は東南中!!またな!」


大声でさけんで


彼は自転車で・・


真っ赤に染まった自転車で


帰っていった。


「バイ・・・バイ。」


小声で言って


私は本を片付け


雅人とおそろいの


真っ赤な自転車で


のんびりと帰った。



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