表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きっと。  作者: 桜乙
3/5

1-2

「はぁ・・・


来ない・・


ハルったらまた親友との約束


ほったらかしたのね。」







今頃きっとエリカは


図書室で


数学の教科書を開いて


待っているだろう。


「眠いし・・」


私はそう言って


エリカとの約束を


ほったらかした。


「私だって・・・


忙しいんだから。」


私は机の引き出しの


鍵を開けて


赤い本を


取り出した。


「今日も頑張るか。」


その本の題名は


【罪と罰】


ドストエフスキーの


代表作だ。


勉強もできない私も


原書を読む。


なぜかって??


私は青春に生きて


青春を楽しんでいるってこと。


これを持って


いつもの場所へ向かう。


暖かい日差しは


しだいに傾き


私の赤い自転車を


さらに鮮やかに


しているんだ。


颯爽と自転車をこぐ私は


きっとかっこいいのだろう。


もしかしたら


綺麗な顔をしているかもしれない。


これが青春を楽しんでいる証。






「あ、いた!!!」


私は近所の公園に行く。


広い公園で


夕焼けが綺麗に見える


穴場。


真ん中にある


白いはずのすべりだいを


赤く染めるんだ。


そして


すべりだいの前にある


ベンチに座った。


向かいにもベンチがあって、


同い年くらいの


男の子が座っていた。


黒縁メガネの彼は


知的な感じ。


本を読みながら


彼を見る。


「・・・カッコいい。」


彼の読んでいる本は


【罪と罰】


もう


私は


彼に


おぼれてしまっていた。


昔・・


一ヶ月ほど前


一人でブランコをこいでいた時


彼がベンチに座って


本と読んでいた。


そのときの彼の顔


好奇心でいっぱいのあの笑顔。


本が大好きな彼は


とても魅力的だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ