半信半疑の異世界召喚
「ふあ〜あ」
と大きなあくびをつく俺、如月 神羅高2は、深夜3時までしていたゲームにより寝坊。
遅刻寸前となっていた。
「おはよう!!シンラ。また寝坊か?」
そう元気に話しかけてくるのは俺のゲーム仲間、藤崎 秀斗だ。
「おはよーー秀斗。」
俺はチャイム30秒前にギリ着席した。
「昨日どれくらいまでレベル上がった?」
「聞いて驚け!13Lv.だ!!」
「嘘!!150Lvから全っ然上がんねえのに。」
毎朝の他愛もない話をしていると、突如地面が揺れた。
「キャーーッ!!」
女子達の悲鳴が聞こえる。震度5くらいだろうか。
「今のけっこう揺れたな。なぁシンラ。」
「そうだね。」
その瞬間足元に奇妙な文字と円が浮かび上がってきた。
「なんじゃこれーー!」
「なになに!!ドッキリ?」
「キャーーッ!!」
生徒達が騒ぐ。
「なんだこれ!!魔法陣?」
「………ワレソウセ………イシンガメイ………ズル……」
俺は何故かこの奇妙な文字が読めた。
「お前この変なの読めんのか?」
「え……うん。」
《ピカーーーッ!》
強烈な光が走った。その途端辺りが真っ暗となった。
「なんだなんだ?」
「キャーーッ!!」
さっきから女子の悲鳴が五月蝿い。
数秒後、辺りが明るくなった。突然の光に俺は思わず目を瞑った。
「…………は?」
「なんじゃ此処はぁぁぁ!!」
秀斗が思わず叫んだ。
目を開けると、そこは教室ではなく教会のような場所になっていた。
そして周りにはオカルト教団のような格好をした人が、数名居た。
一番真ん中にいた老人が口を開いた。
「ようこそ。《エドゲルド》へ。」
そう、老人は言った。
「なになに?そういうドッキリ設定?」
「新しい番組かな?」
生徒達が騒ぎ始める。
「静かにしなさいっっ!!!」
そう言い放ったのは、このクラスの担任、平川 舞だ。
彼女の迫力といったら、ゴリラのドラミングレベルだ。
一言で生徒達が黙るほどの威力。
「話の続きじゃ。簡単に言うと……
この世界はお主達からすると《異世界》と言うことになるな。」
「………は?」
全員の声が綺麗にハモった。
「そういうのいいんで、ドッキリとかだるいんでやめてもらえます?厨二ジジイ。」
そう言ったのは毒舌少女、荒川 有希だ。
彼女は顔立ちはモデルの様なのだが、とにかく毒舌である。
「で?いつ終わるの?」
「魔国連邦の王、つまり魔王を倒したら……終わるかも知れません」
『うん……だと思った』俺は心の中でそう思った。