決勝戦~おしまい~
ここで一応の完結になります。
アクアとブラッシュの決勝戦は一進一退の攻防となった。
ブラッシュの得意技である紫電一閃の一撃により、2ポイント先取されたアクアだったが、天性の剣捌きと動体視力の良さで少しずつポイントを獲得、一時は8対2と大きくリードを離した。
しかし、ブラッシュも意地を見せた。泥臭くポイントを重ねると、8対7まで差を縮める。
以前のブラッシュであれば、ここでポイントの不正魔法を使用したはずだ。だだ彼はそれはしなかった。力とリーチを生かした攻撃を続け、アクアを追い詰めた。
決着は、ブラッシュが7点目を獲得した後だった。
「はじめ!!!!!」という審判の声と共に、ブラッシュは紫電一閃の攻撃を試みた。僅かに見切られた初手があり、その後は一度も使うことがなかった必殺技を、ここ一番を使った。勝負を決めるつもりだったのは間違いない。
アクアは―――。
そんな攻撃をヒラリと避けると、逆にブラッシュの胸に剣を突き立てた。
問答無用の10ポイントの勝利だった。ブラッシュは膝から崩れ落ちた。残酷なまでな才能の差。
アクアは大きく喜ぶことはなかったが、客席にいる俺たちをチラリと見た。泣いているようにも見えた。
両者は固く握手をすると、会場は今日一番の歓声となった。
この日から、アクアは奴隷ではなくこの国一番の剣士となった。しかも、ただの剣士ではない。才能溢れる女剣士として、故郷の漁村にも伝わった。
ただ金を持っていたという理由で、俺はアクアを買うことができた。もし別の人間に買われていたら、アクアの人生はどう変わったのだろうか。
一人でも多くの奴隷を幸せにしたい。そんな気持ちになったのはアクアのお陰だろう。このあまりある金を、俺は人助けのために使おうと心に決めたのだった。
読んでいただきありがとうございました。
楽しみに読んでいいただいた方、大変お待たせして申し訳ございませんでした。小説を全く書けなくなってしまってから2年以上、ようやくキリのいい所までは書くことができました。
打ち切りのような形ですが、これにて完結とさせていただきます。次はまた違う異世界物語を考えておりますので、機会がありましたらそちらもよろしくお願いいたします。
応援していただき、本当にありがとうございました。




