三回戦
穏やかな昼食が嘘のように、3回戦に突入にした剣術大会は熾烈極めた。肉体にダメージが現れないとは言え、それぞれの誇りに胸に戦う姿はいち参加者として胸に響くものがあった。
そんな中でもアクアは危なげなく三回戦を突破し、観衆からの視線はさらに熱いものとなっていた。もし次で負けたとしても、彼女が時の人になることは間違いなかった。
鍛え抜かれた褐色の肌から繰り出さられる、鋭く無駄のない剣捌き。それは時に妖しく、色気すら感じさせた(おっぱいが大きいことも関係してる)。観衆の心を掴むのも当然だ。もしかしたら、おれはとんでもない少女を購入してしまったのではないか。今なら4000万ギルでは購入できないだろう。
そんなこんなでおれの出番である。
「先生頑張ってください」
と言うアクアの励ましが力になる。そして、周りでその言葉を聞いている奴らが驚いているのが分かる。間違いなく剣の先生だと思われているに違いない。だが残念ながらおれに先生の要素はない。朝礼の掛け声くらいしか教えていない。
通路を抜け闘技場に出る。迎える大歓声。この歓声には少し慣れてきた。フウ達の声も混じって聞こえる。どんだけ声がデカいのか。
相手を見ると、鋭い目つきでこちらを睨みつけている。身長はおれより小さいが、細身の鍛え抜かれた身体とその佇まいせいもあり、かなり大きく感じた。相手はファンニル国ではなくスリズ国の人間とのこと。例え相手が誰であろうと油断は出来ない。
「お手柔らかに」
自分でもよく分からない。思わず声をかけてしまった。
「…………」
しかし反応はなかった。それどころか顔色一つ変わらない。鋭く睨みつけたままだった。




