表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAgU-  作者: 枝まめ
1/2

第一幕:学園都市-0-

0.


 茜色に染まる坂を友人と共に登る。

 友人は、赤いリボンを揺らしながら坂の上を夕日に向かって駆け上がる。

 僕は息を切らしながら、友人の後を追う。

 「はやくおいでよ!」そう友人は、坂の頂上で両手を大きく広げて振る。その姿が僕には輝いて見えてとても眩しかった。

 やがて目の前に現れるのは、大きな塀と重そうな鉄の大きな門。


 「遅いよ」

 友人は頬膨らませ汗だくな僕にそう声を掛けた。


 この門の向こうには限られた人たちが住む街がある。

 どういう条件で、この門の向こう側に行けるかは僕ら【一般人】には分からない。

 門の向こう側には何があり、誰が何をしているのか、どう生活をしているのか想像する事すらできない。

 

 門の向こう側に関する情報が一切存在しない。

 人々は門の向こう側を『楽園』と呼べば、『牢獄』と呼んだりする。気味悪がる人もいれば、憧れる人もいる。


 「優は門の向こうに何があると思う?」

 友人が門を背に向けて僕にそう声を掛けた。

 「そうだね、魔法の国がきっとあるんだと思う」

 僕は友人の問いにそう答え、友人はその回答に「子供っぽいね」って笑って答えた。

 まだ二人の制服のサイズが体格に合わない初夏の頃の思い出。

 二人一緒に居るのが当たり前だった頃の話。


 月日は過ぎ、似合わない黒の正装に身を包んだ僕は、再び茜色に染まる坂を一人で登る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ