1/4
創刊号 志半ば
初投稿です。
俺の名前は「筆ケ崎剣」29歳。
国際ジャーナリストに憧れてメディア関係の仕事に就いたものの、現実は三流とも言える週刊誌で芸能人のゴシップ記事を書いている記者に過ぎない。
今日も落ち目アイドルのスキャンダル記事を追いかけてストーカー紛いの取材活動をしている。
・・・はぁ。どうして俺はこんな情けない仕事をしているんだろうか。
落ちぶれアイドルのスキャンダル記事なんて追いかけて何が楽しいのだろうか?
世界を飛び回ってペンで平和をうったえる国際ジャーナリストになるのが夢だったのにな。
何回目、何十回目にもなった感傷に浸っていると、胸・・・じゃなく背中が熱くなってきた。
「お前のせいで!」
後ろを振り返ると、追いかけていた落ち目アイドルが血まみれのナイフを持って立っていた。
「お前のせいで!!」
「お前のせいで!!!」
「お前のせい・・・
薄れゆく意識の中で俺は刺されたというのだけは分かった。