REASONS
ねぇ がらくた抱えてどこいくの
ねぇ 風が爽やかに頬を撫でていくの
白い部屋には溜息が逃げ場を探してる
ひざを抱える
がらくたと一緒に
錆び始めたセルロイド
ねじの取れたセルロイド
夢だけを食べて うっとりしてる
宙にぶら下がるわたしの影
舌を切られても詠うことは忘れない
ねぇ がらくた抱えてどこいくの
ねぇ 盲いた眼でなにみているの
爽やかでとても気持ちのいい風が吹いているわ
風だけが頬を撫でているの
なにをするでもなく
ただ頬を撫でていくの
ねぇ 宝物はどうしたの
ねぇ 伸ばした手の先が届かない
白い画面には往く先の地図がぼやけてる
おもちゃの兵隊はどこへ向かうの
ゼンマイがきれたら誰が巻いてくれる
夢を食べる獏が追いかけてくる
このまま飲み込まれて影も失うの
この腕の中で泣く子らを宥めて
わたしは立ちつくすこともなく風を受け止める
強い風に礫をあてられても
盲いた眼を見開いて抱えた迷い子を守り通すわ
なにもできずにいたことに唇を噛みしめて
撫でる頬にあてられた手を握り返して
在るべき方向へ
大事なあなたが向き直るために
この身に寄せられたたくさんの胸の内を守りたい
夢も忘れたくない
退路のない道を往く
一つも取り落とさず
――たとえ強欲と罵られたとしても