18.俺と彼女
「おはよ」
校門から自転車置き場に行く途中で、昨日の彼女を見つけて声をかけた。
どうも俺を待っていたらしいし。いや、自意識過剰じゃなくて。
「お、おはよう」
うん、確かに美人と可愛い、の真ん中。オミの好みらしい。俺もこんな子いいなと思う。
チャリから降りて、
「昨日の話だけど」
「ごめんなさいっ!」
へ? 何だ何だ?
話し掛けていきなり謝られちまうと、どうしたらいいのやら?
「あの、私知らなくて、それで昨日つい……」
「知らないって、何を?」
アワアワしているのも可愛いけど、全然要領を得ない。なるべくきつく聞こえないように訊き返すと、
「あの、桐谷君、嘉瀬君と付き合ってるって」
「博海と付き合う?」
言いにくそうにしている彼女。
え、まさか、付き合ってるってのは、クラスの女子がからかってくる件か?
「言っとくけど、俺達は極まっとーな友達だから」
「え、でも、危ない関係だって……あっ」
大慌てで口をふさいでいるが。
「誰だよ、んないい加減な事、言ってる奴……」
「あの……友達が……」
うー。友達を選んで欲しい……。
思わずげんなりして、ため息ついても仕方なくね?
「俺はね、昨日の件、OKしようと思って来たんだけど」
「え!?」
ぱっと明るくなって、まっすぐにこちらを見る彼女は、うん、ホント可愛い。
オミの奴、見られなくて残念だよなー、勿体ないよなー。いい気味……あ、いやいや。
まぁ、なんだ。俺もちょっとアガってるって事で。
「けど、毎日って訳にはいかないんだ。1日おきくらいになると思うけど、いい?」
聞きようによっては、なんか酷い言い草だよな。でも、これはオミの日だけって事で。
「うん」
それなのに彼女は嬉しそうに頷くから。
チャリがなければ、うっかり頭を撫でていたかもしれない。
あー、しかし、そろそろ予鈴前。ラッシュ時だ。チャリ通には凄く目立つ。というか、すでに注目を浴びているような。
「じゃあ、また。と、何組だっけ?」
「6組。じゃあねっ」
彼女は走って校舎に入り、俺はチャリを置く。
可愛い彼女が出来ました。……オミに。
あー、なんだか、目出たいんだか目出たくないんだか、微妙だよ、俺的には。




