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いっそすべてを

作者: 月白 深夜

いっそすべてを失くしてしまえば

救われるのかもね

なんて

ありふれた呟き

零れるたびに忘れられたまま

ふつりふつりと

沫のように結んでは解けて

この世界に溢れる思いの切れ端の中

埋もれた言葉を

何故だろう

僕は見つけてしまった


もて余す

可能性も希望も期待も

裏返せば失望で

空に浮かぶ雲ほどにも実体のない甘い餌

怖いんだ

取り繕うのも忘れたような

その痛みに触れてしまうことが


いっそすべてを奪われたなら

白黒も失せた

それは虚空

足掻くこともなく

失望もなく

ぬめった水に囚われたまま

絶望的なほどの安定


いつまにか

肩にのし掛かる耐え難い重さを

放り出してしまえると言うなら

釣られて歩き出した綱の上

小心者の僕には

飛び降りる勇気はないけれど

いつかふらりとよろめいて

冷たい水の底に


堕ちてしまえればいいのに

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― 新着の感想 ―
[一言] 何もできなければ何もやらなくてもいい…。確かに楽かも知れないけど、寂しいですよね。考えさせられる作品でした。
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