エピローグ2 禁断の退院祝い (後半R15H要素あり)
※本話は、後半 綾と恋人たちのお色気回となります。
R15程度の刺激の強い描写が含まれますので、苦手な方はご注意ください。 なお、物語のメインストーリーには直接影響しない番外編的な内容ですので、スキップしていただいても問題ありません。
栄三丁目、錦のスナック。
笹原さんがオーナーを務めるこの店は、今日は私たちのために貸し切りになっていた。看板はスナックだけど、空気はバー寄り。前に来たのは昼だったから気づかなかったけど、扉を開けた瞬間に「これ、好き」ってなる匂いと温度がある。
重い木の扉を押すと、薄暗い照明がやわらかく店内を包んだ。カウンターの奥から、洋酒の甘い香りと煙草の気配が流れてくる。壁には古いジャズのレコードジャケットとモノクロの映画ポスター。棚には年代物のボトルがずらり。BGMは低く抑えたブルース。
普通のスナックじゃない。隠れ家みたいな大人のバー。笹原さんの趣味、全開だ。
「今日は貸し切りありがとうございます」
一歩手前で足を止めて、癖みたいに背筋を伸ばし、そのまま腰を折った。笹原さんは磨いていたグラスを置いて、静かに頷く。隣のママさんもカウンターから身を乗り出して、柔らかく目を細めた。元気そうでよかった、って言ってるみたいに。
店はいつも通り落ち着いてる。でも今日は、少しだけ賑やかだ。ボックス席には玲奈と凛と千景が先に座っていた。
「これ、絶対笹原さんの趣味ですよね」
棚のボトルを指差すと、笹原さんが珍しく口元をゆるめた。
「まあな。でも、こっちの趣味でもある」
そう言って、隣のママさんを見た。ママさんが照れたみたいに笑う。
「普通のスナックなら、どこにでもあるもの。少し変わってた方がいいでしょ」
「私はこういうの好きですよ」
「ありがとう、紫微さん」
「ママ、綾って呼んでください」
「わかったわ、綾ちゃん。退院、あらためておめでとう」
「ありがとうございます」
カウンターに腰を下ろして、ボックス席へ目を向けた。玲奈はグラスを傾けながら、静かに私を見上げてる。凛は手元のノートPCを閉じて、口元だけで笑った。千景はスマホをいじりながら、画面越しに軽く手を振る。
「綾、退院おめでとう」
玲奈の声は、相変わらずおっとりしている。中学三年から高校卒業まで一緒に暮らしてたから、こういう時の玲奈は本当にお姉さんみたいだ。
「何回もお見舞いに来てくれてありがとうね」
「顔出さないと、抜け出してないか不安だから」
「さすがに、あれだけの大怪我だったから休むって」
玲奈の心配性に、私は苦笑いでグラスを持ち上げた。
「今回はまずい指揮をしてしまったな。すまないな」
凛が、グラスをゆっくり回しながら口を挟む。
「でもフォローはしっかりやってくれたじゃん。凛もありがとう。全然関係なかったのに」
「まったくだ。しかも一銭にもならなかったしな」
千景がスマホの画面をこっちに向けて、くすくす笑った。
「私も綾から飲み代しかもらってないから」
凛が大げさにため息をつく。
「綾から今回の報酬もらおうと思ったが、これでは無理そうだな」
玲奈が呆れたように首を振る。
「凛、何言ってるの? 綾みたいな貧乏事務所が凛に払えるわけないでしょ」
「それもそうか」
「はー、みんなにはちゃんと払ってるでしょ」
そう返しながらグラスを傾ける。正直、金じゃなくて別の形になることも多い。でも、みんなそれでいいって言う。ずるいくらいに、優しい。
千景が画面越しにいたずらっぽく目を細めた。
「たまに飲み代になるときはあるけどな」
笹原さんがカウンター越しに古いボトルの栓を抜き、グラスを並べていく。
「まあ、生きて帰ってきた。それで十分だ」
ママさんが柔らかく笑って、カクテルを振った。
「みんな、今日はゆっくりね」
グラスを受け取って、私はみんなの顔を見回した。
静かな店内に、ジャズの低音が優しく響く。
病院の無機質な空気とは違う、木材と酒の香りに包まれて。
ああ、帰ってきたんだ。ようやく、自分の場所に。
そんなことを思っていたことが私にもありました。
この後が一番大変だったなんて、今の私が知ることはなかった。
一次会の終わり。
空になったグラスがテーブルに並び、店内の空気が十分に熟した頃。
凛が、私の耳元に唇を寄せた。
「……一次会は、これで終わり。でも、これで終わりなんて思わないで」
凛が立ち上がり、千景に目配せをする。
玲奈は少し顔が赤く、私の手を握ってきた。
そういえばこんなに酔った玲奈を見たことがなかった
私が退院したことがよっぽどうれしかったのだろう
「さあ、行くか。夜は、まだ始まったばかりだしな」
千景は満足そうに微笑み、玲奈は期待に瞳を輝かせる。
私は重い身体を引きずるようにして、笹原さんとママさんに一礼し、貸し切りのスナックを後にした。
栄3丁目の外気に触れた瞬間、一次会の熱が夜風に冷やされる。
けれど、私の腕を掴む凛の手は、あざといほどに熱を帯びたままだった。
退院祝いの二次会は、今池の千景のマンションに移ってからが本番だった。
広いリビングの照明は全部落とされて、間接照明だけが淡いオレンジを床に溶かしている。
窓の外、三十階の高さから見える名古屋の夜景が、宝石みたいに散らばってた。
遠いネオンがまたたいて、街の喧騒を静かに見下ろしてる。
テーブルには空になったワイングラスがいくつも並び、銀の皿には溶けかけのチョコが残っていた。
甘いアルコールの香りに、女の子たちの熱っぽい息が混ざっていく。
部屋全体が、ふわっと甘くて重い空気に変わっていくのがわかった。
私はソファの真ん中。玲奈と凛に両脇を挟まれて、正面からは千景が膝立ちで、じわじわ距離を詰めてくる。
一ヶ月の入院明けの体はまだ少し重くて、傷跡がたまに疼く。
なのに、彼女たちの視線が肌をなぞるだけで、ぞくっとして、熱がすぐ集まってくる。
「綾、今日は私たちに任せてね」
玲奈が耳元で囁いて、頬を赤くしたまま首筋に唇を寄せた。
柔らかな熱が触れるたび、背中に震えが走って、息が浅くなる。
玲奈の指がシャツの裾から入り込んで、腹にそっと触れて、ゆっくり上へ撫でていく。
「こんなに敏感……入院中、寂しかった?」
「ちょっと玲奈、みんないるのに。酔ってるでしょ」
凛が呆れたふりをするのに、玲奈は私から離れない。
「みんな綾が好きだから、仕方ないよ~」
玲奈の口から、そんな言葉が出るのが信じられなかった。
え、玲奈がこんなに大胆? 酔いのせい? それとも、ずっと隠してた本音?
「逃げられないように、固定するか」
凛が背後から腕を回して、私の手首をシルクの紐でやさしく縛る。痛くない。むしろ丁寧すぎるくらいだ。
抵抗する気なんて最初からないのに、その合図だけで下腹が甘く疼いて、体の奥に熱が溜まっていく。
凛の息が耳にかかって、革ジャンの匂いが混じった香りが近づく。
「綾には今回の仕事、身体で払ってもらおうと思ってね。ブレーキ役の玲奈も壊れてるし」
凛は楽しそうに、いつもより妖しく笑ってる。
みんなで話してたの? 私抜きで? いつの間に?
その間にも千景は、私の前に滑り込むみたいに膝を寄せて、悪戯っぽく微笑んだ。
「今日は特別。みんなで、綾をいっぱい可愛がってあげる」
細い指先が太ももの内側をゆっくり辿って、焦らすみたいに止まって、また進む。
指が触れるたび、喉から小さな息が漏れてしまう。千景の瞳が、満足そうに細まった。
「もうこんなに……待ってたんだね。今日はさ、みんな独占したくて、ちゃんと話し合ったんだよ。罪作りな、綾が一番悪い」
玲奈は私のシャツのボタンを一つずつ外していく。
胸元が開くたび、熱い唇が落ちてきて、舌がくすぐる。
玲奈の目が、とろけそうに揺れてる。
「ここ、すごく綺麗……」
玲奈は小さな玩具を取り出して、指先でスイッチを入れた。低い振動が、空気まで震わせる。
ちょっと待て、玲奈、何をバッグに入れてきたの。
玲奈は自分の体に寄せて、もう片方を私へとそっと当てる。
「一緒に、気持ちよくなろうね」
振動が二人を繋いで、玲奈の甘い声が私の耳を乱す。
前から重なる玲奈の腰が自然に揺れて、私の呼吸もすぐにぐちゃぐちゃになる。
だが、その背後で凛が回り込み、腰に装着したペニスバンドを深く沈み込ませてきた。
「綾、ここ……。いつも私を締めつけてくるんだよね」
凛の手が私の腰をがっしりと固定し、最奥の、さらにその裏側にある禁断の入り口へと、硬い突起が容赦なく沈み込んできた。
「ちょ、そこ……っ、ちが、あ……っ」
未経験の場所に強引に突き立てられる感覚に、言葉がほどける。
前からは玲奈の振動、後ろからは凛の執拗な蹂躙。
逃げ場を失った体は勝手に弓なりに反り、喉が震える。
凛の動きはどこまでも優雅でいて、それでいて逃げようとする私の「弱いところ」だけを的確に探しては、深く、深く当ててくる。凛の手が背後から胸を包み込み、指先できゅっと頂を弄んでくる。
「もっと声、出して。綾の……聞かせて」
千景は胸元に唇を落としながら、小さなローターを指先で転がして、私の神経をわざと煽ってくる。
耳元に甘い毒を流し込むみたいに囁いた。
「綾の声、もっと聞かせて。ダメって言っても、今日は許さない」
言葉が直接、頭の中を溶かしていく。
千景の指が的確に触れて、凛が背後から熱を重ねて、玲奈の震えが私の体に伝わってくる。
前から、後ろから、そして耳元から。
三人の情熱が、いっぺんに押し寄せてきて、私はもう、どこに力を入れたらいいのかわからなくなる。
「ぁ……みんな……待って、ちょっと……!」
すがるみたいな声も、三人の笑みに飲み込まれた。
「ダメよ、綾。今日は私たちが主導権を握るの」
玲奈が唇を塞いで、深いキスで呼吸を奪ってくる。舌が絡んで、ワインの甘さが広がる。
わ・・・わたしが・・・主導権取った事な・・い
少しずつ何も考えられず、みんなにゆだねてしまう。
「もっと感じて。綾の全部、預けて」
凛が耳元で囁き、腰の動きが少し速くなる。
千景は蕩ける声で、私の理性を無くしていってる。
「可愛い。綾のこんな顔、ずっと見てたい」
振動と熱と、甘い言葉と、触れられる感覚が重なって、体が勝手に震えた。
一度、二度。耐えたつもりでも、三度目で完全に崩れる。
そのたびに、玲奈が抱きしめて、凛が髪を撫でて、千景が優しく笑う。
優しさと独占が混ざって、胸の奥までぐちゃぐちゃになる。
「綾、愛してる」玲奈の慈愛の声が私を包んでくれる。
「ずっと、私のものだよ」凛の低音ボイスが私に勇気をくれる。
「もっと、もっと可愛がってあげる」千景のからかう声が安心させる。
十年の鎖がほどけた夜。
私は彼女たちの熱に包まれて、溶けるみたいに何度も導かれていった。
夜はまだ長い。
朝の光が差し込むまで、彼女たちは私を離さなかった。
退院祝いは、朝まで続いた。
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