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■第4話:不安の高まり

昼間の陽光が強く、無人島の浜辺は青空の下でまぶしく輝いていた。波の音が穏やかに耳に届く中、リョウ、ミカ、ユリの三人は、キャンプ場に残された唯一の仲間として、なんとか状況を打開しようとしていた。しかし、ショウに続いてケンも失踪し、彼らの不安は増す一方だった。


ミカ(焦りながら):「リョウ、どうしよう。ショウとケンが消えたのに、まだ何も分からないわ。」


リョウ(冷静を装いながら):「まずは落ち着こう。島全体をくまなく探さないと。」


リョウは広がる青い海を見つめ、手に持った地図を見ながら考え込んでいた。風が優しく吹き、浜辺の砂を撫でる感触が心地よいが、その静けさがかえって恐怖を引き立てていた。


ユリ(目を大きく開けて周囲を見渡しながら):「何かがここにいるのよ。私、感じるの。」


ユリの声には、明らかに恐怖が混じっていた。リョウとミカは、ユリの心配を少しばかり軽視していたが、彼女の震える声に少しずつ心を動かされ始めていた。


リョウ(試しに):「ユリ、どうしてそう思うんだ?」


ユリ(海を指さしながら):「あの海の向こうに、何かが潜んでいる気がする。ずっと見ていると、目に見えないものが近づいてくる感じがするの。」


リョウは不安を隠そうとしながらも、ユリの言葉に少し引っかかりながらも、浜辺を歩き始めた。砂が足元で音を立て、波が穏やかに打ち寄せる中、彼らの歩く足音だけが響いていた。


ミカ(優しくユリに):「大丈夫よ、ユリ。何も見えないわけだから、気にしすぎだと思うわ。」


ミカはユリの手を優しく握りしめ、彼女を落ち着かせようとしたが、ユリの恐怖が簡単には消えそうにないことを感じていた。


リョウ(無理に明るく):「さて、灯台の近くまで行ってみよう。もしかしたら、そこで何か手がかりが見つかるかもしれない。」


リョウは灯台へと向かう道を歩きながら、内心の不安を押し隠そうと必死だった。空には白い雲が点在し、強い日差しが海面をキラキラと輝かせていたが、リョウの心の中は曇りがちだった。


灯台に近づくと、古びた構造物が青空の中で孤立している様子が見えた。風が吹き抜ける中、灯台の中からは古びた木のきしむ音が聞こえてくる。


ミカ(灯台の階段を見上げながら):「ここで何か見つけることができるといいけど…」


ミカの声には、希望と不安が混じっていた。リョウは灯台の中に入ろうとしたが、その瞬間、ユリが急に立ち止まった。


ユリ(恐怖に満ちた声で):「何か見える…灯台の中に、誰かがいるような気がする…!」


リョウとミカは、ユリの言葉に驚きながらも、灯台の中をじっと見つめた。しかし、灯台の内部には誰も見当たらなかった。風が吹き抜ける音と、遠くから聞こえる波の音が、不安を一層強めるだけだった。


リョウ(ため息をつきながら):「とにかく、灯台の中を探してみよう。何か手がかりが見つかるかもしれない。」


リョウが灯台の中に踏み込むと、古びた階段がきしむ音が響き渡り、ミカとユリも後に続いた。灯台の内部は暗く、狭い通路が続いており、壁に掛けられた古い道具が薄暗い光の中で不気味に浮かび上がっていた。


灯台の中に入ると、彼らの不安は一層強まり、背後からの暗い影が次第に迫ってくるような感覚に襲われた。暗い場所での心の動揺と、まだ見ぬ恐怖が、彼らの心に重くのしかかっていた。



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