■第3話:第二の消失
朝日が昇り、無人島の浜辺が明るく照らされた。キャンプ場には静かな光が差し込み、海の青さが眩しかった。リョウとミカはテントから出て、ケンが見当たらないことに再び驚いていた。
ミカ(心配そうに):「リョウ、ケンがまだ見つからないわ。どうしよう?」
リョウ(落ち着いて):「まだ朝だから、もしかしたらどこかで寝ているかもしれない。もう一度探してみよう。」
リョウとミカはキャンプ場周辺を調べながら、ショウとユリもテントから出てきた。ショウは少し寝ぼけた様子で、ユリはやはり不安げな表情を浮かべていた。
ショウ:「ケンはまたどこかで寝てるんだろう。そんなに心配しなくてもいいよ。」
ユリ(震える声で):「でも、もし何かあったら…」
ユリが指さした方向には、先ほどから微かに音を立てる波の音と、広がる青い海が見えた。風が心地よいが、その涼しさが逆に不安を引き立てていた。
リョウ:「皆、分担して探そう。ミカとユリはテント周辺を見てくれ。ショウと僕は浜辺と灯台をチェックする。」
リョウとショウは、浜辺を歩きながらケンを探し続けた。波が静かに打ち寄せ、海の青さが浜辺を囲む中、二人の足音が砂に残っていく。海風が砂を巻き上げ、リョウとショウの周りをさわやかに吹き抜けていた。
リョウ:「ショウ、ケンの足跡や物がないか確認して。」
ショウ(周囲を見回しながら):「うん、わかった。」
二人は浜辺を慎重に歩き、ケンの痕跡を探した。リョウが波打ち際を見ながら歩き、ショウは砂の中に埋もれているものがないか調べていたが、ケンの姿は見つからなかった。無人島の広い浜辺には、ケンが一度も歩いた形跡がないかのようだった。
その間に、ミカとユリはテント周辺を調べていたが、ケンの荷物もほとんど変わりないままだった。
ミカ:「リョウ、ケンの荷物はそのままなのに…」
ユリ(恐怖を押し殺して):「本当に何か悪いことが起こっているのよ。感じるわ。」
ミカとユリがテントを見回していると、突然ユリが叫んだ。
ユリ:「ショウがいない!」
ミカとユリは慌てて浜辺に向かい、リョウとショウに声をかけた。
ミカ:「リョウ、ショウが見当たらないの!」
リョウ(焦りながら):「ショウもいない?これで二人目だ…」
リョウは再び浜辺を捜索し、ショウの名前を呼びながら、周囲の状況を確認した。砂浜には、ショウの物が落ちている様子も、足跡もない。ただ波が静かに打ち寄せるだけで、その静けさが恐怖を引き立てていた。
リョウは心の中で焦りと不安が高まり、どうすればいいのか分からないまま、再びキャンプ場に戻った。ミカとユリが震える声で話す中、リョウは絶望感に駆られていた。
リョウ(ため息をついて):「ショウも…いなくなった。何が起こっているんだ?」
周囲の静けさと波の音が、より一層恐怖感を増し、四人の心に重くのしかかっていた。無人島の美しい朝が、次第に恐怖の舞台となっていった。