002 僕の名前は…
今回貴族に関するお話が出てきますが、設定などはあとがきにすべて書いていきます。
それから数時間後…
どうやらこちらの言葉はあるが、日本語と同じように聞こえている。おそらくだが「異世界言語」的な王道スキルが俺にもあるのだろう。
そしてそこからわかったことだが俺の名前は「アルベルト・フォン・ルナセリナ」というらしい。「フォン」とついてることからわかるかもしれないが、どうやら俺は貴族に転生したようだ。ルナセリナ家は伯爵位を持っており、上から三番目の権力をもつ上級貴族らしい。そして俺はその伯爵家の長男として生まれたのだ。
(これはまた、難しい立ち位置に生まれたな…)
上級貴族である以上、外出が難しいと予想される。簡単に誘拐や暗殺があっては困るからな。
しかし、平民に生まれてもいろいろと不自由がある。だからこそ男爵ぐらいがちょうどよかったんだが…
(まあ生まれたからには仕方がないか)
それはそうと、金髪で青色の目をした(おまけに出ているところはしっかりと出ている)美人はやはり俺の母親だった。「ロサリア・フォン・ルナセリナ」というらしい。なんと年齢は21ときた!若すぎる気もするが、この世界の貴族だと普通なことらしい。
そして父親が…
「おう!アルベルトいるか!?」
っとドアから聞こえないような音がしたが気にしてはならない。
「あなた!アルベルトが驚いて泣いてしまったらどうするんですか!!」
と俺の心配をしてくれる母親。そりゃ、ドアけりながら入ってきたらそうなるよねえ。
「すまんすまん、早く自分の息子の顔を見たくてな。金髪で赤色の目をした男の子か!しっかり俺とロサリアの特徴を引いてるじゃないか。」
はいって来て早々あわただしいって…この金髪で赤色の目をしたイケメンが俺の父親の「ローランド・フォン・ルナセリナ」だ。俺が生まれたときに父親がいなかったのは、ちょうど仕事で遠出していたかららしい。
今更だがこの国はフロラルド王国という。この世界にも何個か国はあるようだが、その中でも大国に位置する国だ。
とまあそんなこんなで、俺がこれから過ごしていく環境はなかなかに楽しそうだ。
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さてと、俺が生まれてから一週間がたった。そして思い始めてきたものがあった。それは…
(よくある異世界転生ものみたいに、魔力意識すれば小さいうちから魔法が使えるようになるんじゃね!?)
そう。やはり異世界に来たからには魔法は使ってみたい。でもやはり知識が足りなさすぎる。そんな状態でできると思いついたのは魔力操作のトレーニングだ。
(とりあえず、自分の中の魔力を頑張って見つけてみよう。)
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それから一週間がたった。
結局なにも見つけることができなかったのだが、この日だけは違った。
丹田のあたりに何かの違和感を感じたのだ。
(もしかして、これが魔力か!?)
なんと一週間の努力の末、魔力を見つけることができたのだ。これには喜びが隠せない。しかし、アルベルトには思うところがあった。それは…
(俺の魔力少なすぎないか!?)
貴族の位について、上から順に
公爵
侯爵、辺境伯
伯爵
子爵
男爵
準男爵
という設定で進めていきます。辺境伯と侯爵は同じ権力と考えてください。
公爵から伯爵までが上級貴族、子爵と男爵が中級貴族、準男爵が低級貴族という枠組みです。