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清子の人生 子供
私は何度でも人生をやり直してやる!
これは清子の口癖だった。
口癖というのは
言霊にちかいのだろうか。
願いを口にすると叶う、とでも言うように
清子の人生はやり直したいことが多かった。
最初から父を変えたかった。
母の小料理屋を手伝う時に
パーマをかけたくなかった。
そして今、ひっそりと横を見る。
信じなくて良い男を信じ
子供を産んでしまった。
とても可愛く、愛想のいい子だ。
しかし、それは清子にとってだけのこと。
清子が最近デートを重ねる男性には
どうしてもなつかない。
他人行儀なのだ。
実は当たり前のことなのだが
幼い頃から、家事や育児にいそしみ
きちんとした親子関係を築いたり
こころを教わらなかった清子には
愛想をふりまけば幸せになるのに
仲良くすれば大切にしてもらえるのに
それしか分からないのだ。