表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/93

千堂京一、感心する

「こんにちは! オーナーさん!」


千堂アリシアのオーナーであると自己紹介した千堂京一(せんどうけいいち)に対して、桜井コデットは笑顔で挨拶をしてくれた。物怖じしない快活な少女であることがそこからも窺える。


「これはこれは。ご丁寧にありがとうございます」


コデットの振る舞いに千堂も感心してしまっていた。


だから、敢えて<千堂アリシアはロボット探偵であるという設定>に乗って、


「実は今回の依頼者はあちらの方々なんです。ただ、ちょっと手違いがあってそれでどうすればいいのかを話し合ってらっしゃって、私達は現在、待機中ということです」


と、今の状況を説明した。


「なるほど! それは大変だ!」


コデットは得心がいったように声を上げて、千堂とアリシアを見た。


それから、難しい顔をしながら電話で話す刑事を見て、


「依頼人の方で揉めてるってのは困りものだよね!」


などと、ませたことを言う。


『これは、思った以上に利口な子だな』


アリシアから話は聞いていたものの、その時の印象以上のものをコデットから感じ、千堂は感心させられていた。


『この子がまっすぐに育ってくれてJAPAN-2(ジャパンセカンド)社に来てくれれば、きっと心強いだろうな』


とも思ってしまう。


だからこそ、コデットのような子供がまっすぐに育つことができる社会を作り上げていかなければと改めて思った。


そして、千堂のそんな様子に、アリシアが見惚れる。


相手が子供だからといって軽んじることなく丁寧に対応する彼の<器>に魅了される。


でも、だからこそ、様々な<行き違い>で人間達が惑うことが悲しかった。


『人間が皆、千堂様みたいな人だったらこんなことにもならないのにな……』


そんなことも思ってしまったりするものの、実は必ずしもそれが正解ではないことも、アリシアは知っている。人間はそれぞれが違っていること自体が必要なことなのだと。


人間という生き物は、この火星を、生存可能なものに作り替えてしまうことすらできる生き物だ。その人間が、誰一人意見を違えることなく何か一つの目標に邁進してしまっては、それがもし、何らかの破壊的破滅的なものであった場合、歯止めが利かなくなってしまうだろう。ゆえに、異なる意見や視点を持つことによって、それが本当に必要で間違いのない選択であるかどうかを検証できるのである。


それがなければ、人間はすでに、多くの犠牲を払いつつ巻き添えを生みつつ終焉を迎えていたであろうとも言われている。


火星においても三度もの大きな戦争を行いつつも今なお存在できているのは、『異なる意見を持つ者がいる』からなのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ