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僕だってチートがあれば苦労なんてしていない  作者: 結城慎二
戦わなければ生き残れない!
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そこはそれ、二人は若いわけでして

学校はそろそろ冬休みですね。

そこそこストック溜めたのでしばらく毎日更新します。

 村に着くとオギンがテキパキと来訪を告げ、いかにも村長って感じのおじいちゃんが出てきた。


「すいません、こんな夜中に訪ねることになって」


 一通りの挨拶が終わって村長の家に腰を落ち着けた僕が開口一番発した言葉だ。


「なんのなんの。噂には聞いておりましたが、これはまたえらくお若い村長ですな」


 うん、もう村の規模じゃないという自負があるんだけど、元の村のイメージを引きずってるだろう村長にはそのままの認識でも仕方ないかと諦める。


「で、このたびはどういった用件で?」


「はい、()()復興が一段落いたしましたので、ご挨拶に伺うべきかと思いまして」


「それはそれはご丁寧なことで」


 などと互いに社交辞令を交わす。

 夜も遅いということで、その日は挨拶だけで寝ることになったんだけど……。


「…………」


 僕が無言で立ち尽くす中、黙々とオギンが客室で荷物の片付けやベッドメイクを行なっている。


「……あー……いいかな?」


「なにか?」


「一応ツインルームになっているけど、一緒の部屋で寝るってこと?」


「『ついんるうむ』というのがどういうものかは知りませんが、同じ部屋で寝るということで間違いありません」


「あ・やっぱり」


 頭の上ではリリムが腹を抱えて笑っている。

 いや、家の規模からいって部屋数は想像できたか。

 あまりにも今の館に慣れてたもんで、すっかりこの世界の村ってものの水準を忘れてたよ。

 なるほど、オギンが同行をなんとなく嫌がっていたのはこれが原因だったか。

 キャラバンの野営でも、男女は別々のテントで休むっていってたもんな。


「お館様はそのようなことはなされないと思いますが、なさるつもりならお覚悟なさってください」


 しねーよっ!

 あ、いや……不自由してるから間違いが起きる可能性も否定はできないけど、キレイだとは思うけどタイプじゃないし、おっかないからやらないよ!

 うん、たぶん……。


(どーだか?)


 うるさい!


(そんなに心配なら眠りの魔法でもかけてくれよ)


(そうね)


 一言つぶやいて魔法を唱え始める。

 あ、ちょ、まだ寝る準備してない。

 僕は慌てて服を脱いで布団に潜り込む。

 隣のベッドで気配を硬くしていたオギンが僕の行動をどう思ったか確認する間もなく、僕は魔法の眠りに落ちることになった。


 翌朝、朝日とともに目がさめる。

 初めての旅の疲れと眠りの魔法でぐっすり眠れたからか、とても心地よい寝覚めになった。

 いつもは僕より先に起きている(というか、いつ寝ているのか判らない)オギンが珍しくベッドの中で寝息を立てている。


「珍しいな」


「なかなか寝付けなかったみたいだから、サービスで彼女にも魔法をかけてあげたのよ」


 それはいいことだったのか?

 護衛として同行したオギンが正体なく寝ていて一朝事があったらどうするつもりだったんだ?


「あー、考えてなかったわ。ごめんね」


 ごめんじゃないよ。

 僕の使命はこの世界を生き抜くことなんだから。

 それをサポートするのがリリムの役目じゃないか!

 くそっ、おでこコツンにてへぺろなんてしやがって。

 似合うんだよなぁ。

 納得いかない気分でモヤモヤしていたら、ガバと起き上がったオギンがいきなりベッドの上で頭を下げる。


「申し訳ございません!」


「な、なに? いきなり」


 寝間着ねまき姿のオギンはやっぱ若い女なわけで、朝であることも手伝ってムズムズするんだよ。


「護衛として同行している立場にありながら正体なく寝入ってしまいました。あまつさえ、お館様より後に起きるなど、あってはならない不始末」


(…………)


(……ごめん、ジャン)


「それはいい、初めてのことでもあるし、緊張し続けて精神的に疲弊していたんだろう」


 ホントは魔法のせいなんだけど。


「それより、その……目のやり場に困るというか……」


 そこまでいうと、オギンは頬を朱に染めて掛け布団にもぐりこむ。

 その時チラッと見えちゃったんだよねぇ、思ってた以上に大きな乳房が。

 着痩せするタイプなんだ。

 やばいな。

 もう一晩泊まる予定なんだけど……。


(今晩もジャンには魔法をかけなきゃだめね)


 う……ヨロシクオネガイシマス。


 …………。


 なんかちょっと残念という気がしなくもないんだけど。

ご意見・ご感想お待ちしてます。

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