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遠い国での革命  作者: 100万灰色の橋
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12月25日

辺境地方国東部ルーグスク市のアナスタシア・バンドナ宅にて


夕刻、以前ルーシ大使館でニネリのインタビューを行ったジャーナリストであるアナスタシアはルーグスク市郊外に位置する自宅でパソコンに向かい合っていた。室内にはタイピングの音だけが響く。取材のための質問事項の、対象の背景の確認の微調整などの明日の取材の最終準備である。明日はデモ隊と退治している警官隊とカツレツ市の警察署長に会う予定である。


その時、庭に白いライトバンが入って来るのが見えた。バンの側面には『車両輸送公社』と書かれていることから宅配便であろうか?バンはそのままに庭に停車すると男が小包を持って降りてきた。


家の呼び鈴がなる。


「こんばんは。車両輸送公社です。アナスタシア・バンドンさんに荷物をお届けに参りました。」


そして玄関のドアの外からは荷物を持ってきた旨を告げる声が聞こえてきた。


アナスタシアは荷物を受けとるべく玄関に向かい、ドアを開ける。ドアの外には黒いレザージャケットを着た若い男が立っていた。


「こんばんは、車両輸送公社です。アナスタシア・バンドナさん?だったらここにサインお願いします。」


車両輸送公社の男は小包と一緒に受け取り確認表とペンを渡してきた。

アナスタシアはこれらを受け取ると、確認表にサインをした。そして確認表を車両輸送公社の男に返そう顔を上げたところ、プシューという音とともに顔に何かを吹きかけられた。


車両輸送公社の男が密かにポケットから取り出した催涙スプレーをアナスタシアの顔面に吹き掛けたのだ。


「んああっ!?」


スプレーはアナスタシアの目に入り、痛みと涙で目を開けられない状態にするばかりか、アナスタシアはこれを吸い込んでしまいむせかえっていた。

そこに車両輸送公社の男は2発、3発と思い切りアナスタシアの鳩尾を殴り付ける。


これには堪らずアナスタシアは膝から崩れ落ちると車両輸送公社の男は容赦なくアゴを蹴りあげアナスタシアを昏倒させた。


そこにアナスタシア宅の近くに隠れていた車両輸送公社の男とグルの男が合流し、気絶したアナスタシアを手早く拘束し猿ぐつわと目隠しをする。


車両輸送公社の男は気絶したアナスタシアをライトバンの後席に押し込むと、自身は運転席に乗り込み車を発進させた。


一方、グルの男はアナスタシアが外出したかのように偽装を施しつつ、彼らにとって必要なものを盗み、アナスタシア宅をあとにするのであった。

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