忘却の罪深さと忘れていた昔の自分
物忘れ激しいと嫌になっちゃう
謝ろうと麻子のクラスに行ってみたが、結果から言うと
避けられまくった。
恥ずかしくて呼び出せなかったが、部活をやっていることを思い出し 帰りにグラウンドによって待ってみた。
もちろんスマホに連絡先が入っており、謝りたいとの旨を書いたものを送信するが、案の定返信はない。
しかし、部員に聞いてみるとどうやら
昼休みに早退したみたいだ。
まあいい、明日も早く学校に行って謝ろう。
そう思い校門に足をのばしたが、僕を待ち伏せしている奴がいた。
あの女だ。
どうやら美化委員としての仕事をいつも1人でやってたみたいだ。
委員に入っているけど特に何も言われないので、全然何もやらなくていいものなんだなと勝手に思い込んでいた末に入っていたこと自体、忘却してしまっていたようだ。
「手伝ってくれないかな」やはり淡々という。
なぜ今更?という思考が巡ったが、聞きたいことがあったため了承し
学校周辺のごみ拾いをすることになった。
聞きたいことは名前だ。
色々ありクラス名簿を見るのを忘れていた。
河原に向かい(ここもごみ拾い範囲なのだ)捨てられている缶やタバコの吸殻を拾っていく
タイミングがつかめない
「失礼だけど名前を教えてくれるかな」だけの言葉だ。簡単だ。短い簡潔な言葉だ。
が、失礼な言葉だ。初対面ならいざ知らず
逡巡する僕に彼女は話しかけてきた。
「懐かしいね、ここ。初めて会った場所だね」
彼女は缶を拾いながら 僕に応答を求めてきている。
忘れたことも忘れる