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プロローグ
明るい茶色の髪をした少女が金髪の少年に駆け寄る。
ここ数か月で二人が一緒にいるのを何度も見るようになった。
中庭の隅で仲良くお昼を食べ始めた二人を校舎からそっと見ていた。
もう、一緒に食べられなくなってしまったわね。…でもあと数週間もすれば二人で出かけるようにもなってしまうのよね…。
そう思い、窓から視線を前に戻そうとして固まる。
どうして、私はそんなことがわかるの?
自問自答。答えなんて帰ってくるはずない。だけど、すっと頭がひとつのものを出そうと高速に回転し出す。
わかりたくない、止めて。
けれど意志に反して答えが出る。
「…『緑の思い出』」
呟いた瞬間、私の意識は途絶えた。