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普通に活動する気はないみたい

前回のあらすじ

部活紹介があった。部員が少ないのは先輩達のせいであることがわかった。


あの部活紹介から1週間が過ぎた。昨日、先生に資料を作るように頼まれて、今日から作り始めるみたいだ。やっと部活らしくなってきたなと感じている。

「失礼しまーす。」

扉を開けると、部長と葵先輩が睨み合っていた。何してんだろうと思い、覗きこんでみると、オセロをしていた。部長が圧勝している。

「こんにちは。幸くん。」

ニコニコして部長が話しかけてきた

「なにしてるんですか?部長。」

見ればわかるだろう。オセロだよ!オセロ!」

「見ればわかります。資料作りはどうしたんですか!」

「あー。あれもう作ったよ。」

部長が指差す机の方を見てみると、ものすごい量プリントの束が積まれていた。あの量を1日で終わらすのかよ。本当に化け物みたいだな…。

「そんなことよりオセロしない?今、20連勝中だよ!」

葵先輩を見ると、もう涙目になっていた。まんざら嘘でもなさそうだ。

「も、もももう一回…。」

葵先輩は震えながら、部長に挑んだが、5分しないうちにゲームが終了した。葵先輩が弱すぎる…。

「いいですよ。やりましょう。」

「僕に勝ったら。これをやろう。」

と言い部長が差し出したのは、幻のギャルゲー。ラブラブスクールストーリー。ラブスクじゃないか…。これは数量限定で入手困難なはず。なぜ持っている。これは是が非でも勝たなければ…!

こうして俺と部長の戦いが始まった。


俺が黒で部長が白。

オセロは、自分の色のコマをはさんでひっくり返し、自分の色が多い方が勝ちというシンプルなルールだ。しかし、このゲームは奥が深い。オセロ4隅を取れば勝てると思っている人が多い。違う。最終的に相手より多くひっくり返せば勝ち。ここは部長に上げよう。

4隅全てが白になった。すごく負けてるように見える。それは素人だけだ。必勝法ではないが、勝てるようになる方法がある!それは打つ場所を増やすことだ。最初から多く取ってもあとあと打つ場所がなければそれ以上増えない。そして最後は先を読むことだ!とにかく先を読む。大切だから二回言った!これらのことを意識してすると勝てるから、みんなも試してみよう!



試合結果

黒60枚。白4枚。俺の圧勝だ。「完敗だ、約束していたラブスクを渡そう。ホラ。」

部長はバッグからラブスクを取り出した。

こんなことで幻のゲームをプレイできるなんて!パソコン部バンザイ!帰って、早速プレ…。

受け取ろうとした瞬間、いきなり扉が開き女性の生徒指導の先生に見つかった。名前は山崎カオル。メガネ美人だが、気性が荒い。

「君たちなにしてるのかな。」

顔が笑ってないように見えるのは気のせいか。いや、気のせいじゃない。

「先生これは違うんです!」

部長が必死に弁論し始めた。

「一応聞いておこうかな。言ってごらん。」

「これは新入生の歓迎会です。そしてこれは、優勝賞品です!」

「わかった。反省文と没収で済ましてやる。嫌だったら、殺りあってもいいぞ。」

笑顔で言われ、逆に怖かった。

部長はあっさりと先生に渡した。

俺と部長は反省文を原稿用紙10枚びっしりと書かされた。誰だよ密告したやつ…。葵先輩だ。オセロしてた時すごい不機嫌そうだったのに今すごく気分よさそうにニタニタしてるもん。性格悪すぎるだろ。

結局、ラブスクがプレイできたのは1週間後…。できないよりはマシだけど、すごく虚しかった。


あのオセロの試合があった翌日から俺は学校中でオセロマスターと呼ばれるようになった。部長はこの学校の中で一番強かったらしい。初めてパソコン部に入ってよかったと感じた。





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